インディカーシリーズ2024シーズン注目点






【2024シーズンも全17戦】
3月8日にシーズンイベントがスタートするインディカー・シリーズ2024は今年も全17レースが開催されます。伝統の一戦である第108回インディアナポリス500には佐藤琢磨選手が3勝目を目指して参戦します。

【オーバルは7レース】
ナッシュビル市街地で予定されていた最終戦は、会場近隣のフットボールスタジアムの改修工事の影響が想定よりも大きくなることを受けて、コースレイアウト変更でダウンタウンに移される予定が急遽郊外のオーバルトラックであるナッシュビルスーパースピードウェイに変更されました。ナッシュビルスーパースピードウェイでインディカーレースが開催されるのは2008年以来16年ぶりです。これにより、当初6レースの予定だったオーバルレースは7レースとなり、シーズン終盤の3レースがオーバルレースとなります。シーズンがオーバルレースで幕を閉じるのは2014年のカリフォルニアスピードウェイ以来になります。

【伝統のミルウォーキーマイルが復活】
100年以上もの歴史を持つ伝統のワンマイル、ミルウォーキーマイルでのレースが2015年以来9年ぶりに復活し、ダブルヘッダーレースで開催されます。現役ドライバーでミルウォーキー出走経験があるのはカーペンター、レイホール、ディクソン、ニューガーデン、パワーの5人。

【賞金レースを実施】
開幕戦の2週間後にはインディカー初の試みとして100万ドルの優勝賞金を懸けた特別レースが実施されます。2023シーズン開幕前に合同テストが実施されたカリフォルニアの砂漠地帯にある会員制高級サーキットのザ・サーマルクラブでノーポイントレースとして、”1ミリオンチャレンジ”が開催されます。

賞金総額は数100万ドルになる見込み。イベントはザ・サーマルクラブの会員メンバーとインディカーの参加チームを組み合わせる抽選会から始まり、予選セッションと2つのヒートレースによる勝ち抜き戦が行われます。

各ヒートレースの上位6人が決勝レースとなる”オールスター・ショーケース”に進出し、決勝レースの優勝者と組み合わされた会員メンバーには優勝賞金100万ドルが贈れられ、その他TOP5のチームの会員メンバーにも賞金が分配されることになっています。イベントにはチャリティプログラムも実施され詳細は後日発表されることになっています。

【シーズン後半からハイブリッドパワーユニットを導入】
インディ500終了後の6月のデトロイトからハイブリッドパワーユニットが導入されます。現行の2.2リッターV6ツインターボエンジン(ICE)に、発電機を兼ねるモーター(MGU)と蓄電するためのキャパシター(ESS)からなるERSユニットを追加。ERSユニットはエンジン後方に組付けられるトランスミッションやリアサスペンションマウント共に接続されるベルハウジング内に搭載され、その重量は約54㎏となります。このERSユニットの搭載で、従来よりも約150馬力ほどアップすると言われています。

重量増加に対してインディカーは、エアロスクリーンを約3㎏軽量化し、3Dプリンターで作成される新設計のチタニウム製ベルハウジングとギアボックスの軽量化で対応します。

MGUによって回生したエネルギーはESSに蓄積され、そのエネルギーはこれまでのターボ増圧によるプッシュトゥパスシステム(P2P)同様にドライバーの任意のタイミングでマニュアル操作によってパワーアップに使用されることになります。このパワーアップには時間制限はありません。

エンジンの回生に関してはドライバーの意思によるマニュアル操作とオートマチック回生での運用が予定されていて、レースの戦いの中でいかにエネルギー回生を行って蓄積していくかもテクニックのひとつとなります。回生エネルギー量にも再利用エネルギー量にも制限はなく、ロードストリートコースではこれまで使用されてい来たターボの過給圧のアップによるオーバイテイクアシストシステム(P2P)併用する形でエネルギーが再利用され、その出力は100馬力ほどになるとみられています。







【さらなる安全性の向上】
安全性向上を目的とした新たなパーツやルールの導入が予定されています。
■レインライトをリアウイングの左右のエンドプレートに追加(HALO導入による視認性改善)
■ブレーキローターの冷却機能を向上(ハイブリッド化のハイパワーに対応)
■オーバル用フロントホイールハブベアリングナットの強化(去年のインディ500での事故を受けて)
■オーバル用リアホイールベアリング保持ナットの強化
■オーバル用強化リアアップライトの導入
■スーパースピードウェイ用リアウイング取り付け台座
■冷却風導入口つき軽量エアロスクリーン
■冷却風導入用ゴム製ダクト







■リスタートラインの変更
最終ターンに設けられるラインまで1列隊列を維持すること。リスタートの合図は従来のフラッグに加えてLEDパネルでも表示される。

■プラクティスセッションのグループ分け
開幕戦で試験的に運用。20分間の全車走行セッションに続いて、ピットボックスの奇数偶数で2グループに分けて10分ずつのセッションを実施。

インディ500のオペレーションに関しては後日発表予定とされています。

コメントを残す