低速域での衝撃吸収性を改良したリアバンパー






今シーズンからインディカーはリアセクションに新たなパーツを採用します。



インディカーとシャシーサプライヤーのダラーラの共同開発により、後方からの衝撃を吸収する器リアアッテネーター(リアバンパー)が、従来のものよりもより低速域で確実に衝撃を吸収できる新設計の物に変更されます。



インディカー空力担当ディレクターであるティノ・ベリ氏は「新設計のリアアッテネータはハイブリッドシステムの導入と同時に採用される予定で、ハイブリッドシステム用ギアボックスへの装着を想定して設計されていたので、現行ギアボックスへの装着にはマウントを少し変更する必要がありました。しかし、1年半前には開発が完了してすでにパーツ供給体制が整っていたので、ハイブリッドシステムの導入に先だって前倒しで次戦で使用することにしました」とコメント。



新設計のアッテネーターは、衝撃Gレベルの数値を低くして設計されました。これは、過去10年間にわたりいくつかの改良を経てきたDW12オリジナルシャシーのアッテネーターの使用で収集されたデータが活用されて開発されれています。



従来型リアアッテネーター




「これまでのアッテネーターに代わって再設計し、先端部分のバルクヘッドを取り除くことで、先端部分で破砕しやすい構造になっています。さらに先端部分をより薄くして衝突初期には柔らかく壊れるようにしています。これまでのアッテネーターではストリートレースでの衝撃で頭痛を訴えるドライバーがいましたが、このパーツによって今後は改良されるはずです。基本的な設計思想は、全長を従来よりも約11㎝延長し、カーボンコンポジット素材の構成を部分的に変えてゆくことによって、衝撃吸収Gを分散させて柔らかく衝撃を吸収することにあります」とティノ・ベリは解説。



新設計のリアアッテネーター




新しいアッテネーターは、これまでのものよりも全長が約110ミリメートル(4.3インチ)長くなっていますが、質量では約680g軽くなっています。クラッシュテストでは、新しいアッテネーターの平均およびピークの減速度は、従来型よりもはるかに低い数値となっています。



アッテネータの装着にはこれまでよりも大きなピンでギアボックスの背面に固定され、オーバルトラックでより効果的に衝撃を吸収するように改良されてました。そして、後端部には大型化されたLEDレインライトが装備されます。以前はこの位置にもTVカメラが装着されていましたが、振動で画像が乱れることが多く、実際にはこの映像が使われることはあまりありませんでした。その結果、2シーズン前からTVカメラの装着はなくなり、LEDレインライトをこれまでの60%ほど面積を拡大させることで雨天でのレースの視認性を高めています。

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