ディクソンマジックでロングビーチGPを制覇






【ロングビーチ・グランプリ リザルト】http://www.imscdn.com/INDYCAR/Documents/6297/2024-04-21/indycar-officialraceresults.pdf







【ディクソンがまたしてもディクソンしかできない走りでレースを制す】
燃費走行においては他の追従を許さないテクニックを持つスコット・ディクソンが85周のレースで42周をリードし、そのうちのラスト34周を無給油で走り切り、燃料消費量で優位に立つ2位のコルトン・ハータに0.9798秒差をつけて今季初優勝。キャリア57勝目をあげました。ディクソンは「本当に大変だった。走りきるためのフューエルナンバー を聞いた時は絶対に持たないと思った。本当にギリギリ持ったのは運が良かったとしか言いようがない」とコメント。ディクソンは予選8位でハードタイヤでのスタート。15周目にラスムッセンがクラッシュして1回目のフルコースイエローに。約29周のフューエルウインドでディクソンはピットがオープンとなった17周目にピットストップ。残りの68周を1ストップで走り切るのは不可能と思われた中で、ディクソンは残り34周の51周目まで引っ張ってから2回目のピットストップ。そこからはノーピットではフィニッシュ不可能と思われた中でP2P(プッシュトゥパス)も活用しながら背後から差を詰めるハータを押さえきってキャリア57勝目。歴代最多記録のAJフォイトの67勝まであと10勝。
【ディクソンは6戦中4勝】
開幕2レースと昨年のラスト4戦を加えた直近6レースでディクソンは4勝。

【インディカーの軽量化が燃費を向上?】
昨年のロングビーチGPで優勝したカイル・カークウッドはラストピットを54周目に入って、残り31周をすべてアンダーグリーンで燃費走行して優勝。その時はP2Pが全く使えない中での超燃費走行を強いられる。52周目(残り33周)でラップリーダーでラストピットに入ったニューガーデンは燃料が持たないとして大きくペースダウンし9位まで順位を落としてフィニッシュ。今年のディクソンのラストピットは51周目で残り34周を走り切る。開幕戦からハイブリッドPUの搭載を想定するも、結局はハイブリッドPUの導入はシーズン後半に延期された結果、ハイブリッドPU分の重量増を見越して軽量化されたレースカーは昨年よりも燃費を向上させている可能性。

【ホンダ勢で表彰台を独占】
予選4位だったコルトン・ハータは85周のレースを均等割りする2ストップを選択して最初のフルコースイエローではステイアウトを選択。同じ作戦をとった中では一番引っ張って32周目に1回目のピットストップ。これでオーバーカットに成功してエリクソンの前に出てニューガーデンの背後につける展開に。2回目のピットストップもニューガーデンよりも4周引っ張ってトータル7周をラップリード61周目にピットイン。残り10周を切ってディクソンを先頭とするトップ4台が集団となったところで、ヘアピンの立ち上がりで前を行くニューガーデンのギアボックスにノーズが接触。一瞬ニュートラルギアに入って失速したニューガーデンをかわして2番手へ。最後はディクソンを追い詰めようとするも燃料が最後まで持つことが分かったディクソンはラスト2周で自己ベストタイムを更新してハータの攻撃を許さずに、ハータはそのまま2位フィニッシュ。ハータは「ディクソンがどうやってトップに立ったのかが理解できない」とコメント。予選6位からギャンブルせずにコンサバティブな作戦で堅実に走ったアレックス・パロウが3位フィニッシュ。パロウは「自分にはディクソンのまねはできない」とコメント。

【HRCの渡辺社長がグリーンフラッグ】
ホンダのモータースポーツ活動を統括するホンダ・レーシング・カンパニー(HRC)の渡辺康治社長が現地を訪問。レーススタートを告げるグリーンフラッグを振った他、ホンダ勢が独占した表彰台でプレゼンターを務めています。



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【ペンスキー3台は失速】
フロントローアウトサイドポールからのスタートだったウィル・パワーはスタートダッシュにかけてのソフトタイヤを選択。6秒以上ものリードを築くもラスムッセンのクラッシュによるフルコースイエローはリードを失ってピットイン。同じ作戦をとったディクソンに抜かれるも、51周目まで引っ張った2回目のピットストップの時にはディクソンに8秒のビハインド。その後も燃費走行でペースを上げられずに5位まで後退してそのまま5位フィニッシュ。予選3位のニューガーデンは均等割りの2ストップを選択し、2回目のピットストップが終わった時点でディクソンに約7秒のビハインド。その後は燃費走行を続けるディクソンとは0.3秒差まで詰めて2位につけるも、背後からハータに衝突されて後輪が浮いてしまいアンチストールシステムが作動して失速。4位フィニッシュもポイントトップはキープ。予選11位のスコット・マクロクリンはパワーと同じ作戦を選択し一時は4番手につけるも、残り14周でメカニカルトラブルでピットインして26位フィニッシュ。







【裏目となったパワーの作戦】
フロントローアウトサイドポールのグリッドを獲得したウィル・パワーはフレッシュソフトタイヤでのスタートを選択して、スタートダッシュに成功するも、15周目でフルコースイエローとなってしまい、結果的に今回一番優位に使えるはずだったフレッシュソフトタイヤを15周で捨てることに。予選でFAST6まで進んだパワーはFAST6でも2セットのソフトタイヤを酷使しすぎて、手元に残ったユーズドソフトタイヤの決勝投入をあきらめて新品ハードに2セットで行く作戦を選択。これも裏目に出てペースが上がらず5位まで後退。FAST6では通常はユーズドハードタイヤでセットを確認したのちに、Q1か2で使用したユーズドソフトタイヤで計測に入るも、パワーはそこでユーズドソフトを2セット共に使用。







【プルシェールがデビュー戦で11位】
F2チャンピオンで今回のスポット参戦でインディカーデビューとなったアローマクラーレンのテオ・プルシェールは何もかもがぶっつけの週末の中で予選22番手。ハードタイヤでのスタートでコンサバに均等割りでピットストップする作戦を選択。初めて来たカリフォルニアで走ったこともないサーキットで85周をトラブルフリーで走り切り、6人のルーキードライバーの中では最上位となる11位フィニッシュ。しかもThe Biggest Moverに。プルシェールはこの半年で、F2、F1、スーパーフォーミュラ、インディカーという世界最高峰のシングルシーターレースカーをドライブしたことに。「インディカーでレースをできたことは素晴らしい経験でした。初めてのレースでこの結果を出せたのは信じられないです。やはりレーシングドライバーとしてはすべてのレースで勝ちに行きたいですが、この経験豊富なベテラン選手たちを相手に初めてのレースでこのけっはを出せてことは本当にうれしいです」とコメント。







【2周目からのグリーンフラッグ】
2周のパレードラップの後に1周のペースラップで隊列を整えてレーススタートする予定も、ペースラップでの隊列が伸びすぎたためにレースコントロールはもう1周ペースカーを先導させて隊列を詰めることを決断。ただでさえ最終ターンのヘアピンでは一列隊列となりがちで、毎年のスタートでは後続がちぎれてしまい、きれいなスタートにならないことを憂慮。その結果、イエロースタートととして隊列を作り直し、レース周回数とレース計時は開始させて2周目でグリーンフラッグとすることに。







【ロングビーチでのアメリカ人ドライバーの連勝がストップ】
ディクソンはロングビーチGPでのアメリカ人ドライバーの6連勝を阻止。去年までの5レースでは、アレクサンダー・ロッシ(2018~19年)、ハータ(2021年)、ニューガーデン(2022年)、カイル・カークウッド(2023年)が優勝。2020年は感染症拡大で開催は無し。

【チップガナッシがロングビーチGP両制覇】チップガナッシ・レーシングは、IMSAスポーツカー選手権GTPクラスにセバスチャン・ブルデイとレンガー・ファン・デル・ザンデのドライブでキャデラックV-Series.Rで参戦。土曜日の決勝レースでは予選3位から優勝してロングビーチGPをスポーツカーとインディカーで両制覇。

【次回はパーマネントサーキットのアラバマGP】
GAORA SPORTS他、配信プラットフォームで
4月28日日曜日深夜2:00(月曜早朝)から生中継!
https://www.gaora.co.jp/motor/3878680

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