2024シーズン後半の導入を目標に進めるハイブリッドパワーユニット






2024シーズンから導入予定の2.2LV6ツインターボと組み合わされるハイブリッドシステムの準備が開始されてすでに1年が経過し、すでにここまで実車テストが複数チームによって実施されてきました。

実車テストはこの8月16日からセブリングインターナショナルレースウェイで初めて開始され、この3か月間で13人のドライバーによって延べ15,256マイル(24,546Km)を走行してきています。

現地点では、このハイブリッドパワーの導入は2024シーズン開幕戦からではなく、第108回インディアナポリス500の後の導入が見込まれています。

「現在はシボレーとホンダの協力によって、万全の体制で新型パワーユニットが導入できるように準備を進めています」とインディカーのジェイ・フライ社長はコメント。

インディカーシリーズにとっては大転換となるハイブリッドシステムの導入に関して、シボレーとホンダは最大限の協力体制を築いて開発を進め、今後のテストは、オーバルトラックではインディアナポリスモータースピードウェイ、ミルウォーキー、ワールドワイドテクノロジーレースウェイで実施され、ロードコースではロードアメリカ、バーバーモータースポーツパーク、ストリート想定ではセブリングで実施されることになっています。

今回のハイブリッドパワーユニットの導入によって、レースカーの馬力が大幅にアップされる他、減速によるエネルギーの回生と、回生して蓄積されたエネルギーの再利用によるパワーアップなど、レースの戦い方に関して新たな要素が加わります。エネルギー回生に関しては自動ではなく、ドライバー自身の判断でマニュアル操作をすることでエネルギーを蓄積させていくなどして、ドライバーがいかに有効にシステムをコントロールしてバトルに生かすかなど、選択肢が増えることも新たなレース要素となることが期待されています。

ハイブリッドパワーユニットはこれまでの2.2リッターV6ツインターボエンジン(ICE)に、発電機を兼ねるモーター(MGU)と蓄電するためのキャパシター(ESS)からなるERSユニットを追加。ERSユニットはエンジン後方に組付けられるトランスミッションやリアサスペンションマウント共に接続されるベルハウジング内に搭載され、その重量は約54㎏となります。

このERSユニットの搭載で、従来よりも約150馬力ほどアップすると言われています。

重量増加に対してインディカーは、エアロスクリーンの軽量化、新設計のベルハウジングの軽量化、ギアボックスの軽量化で対応するとしています。

MGUによって回生したエネルギーはESSに蓄積され、そのエネルギーはこれまでのターボ増圧によるプッシュトゥパスシステム(P2P)に代わってドライバーの任意のタイミングでパワーアップに使用されることになります。このパワーアップには時間制限はありません。

エンジンの回生に関してはドライバーの意思によるマニュアル操作での運用が予定されていて、レースの戦いの中でいかにエネルギー回生を行って蓄積していくかもテクニックのひとつとなります。

ハイブリッドパワーユニットのテストは今後もオフシーズンを通じて実施される予定で、具体的な導入時期は後日発表されるとしています。

2024シーズンよりインディカーに挿入されるハイブリッドシステムの詳細はこちらの通りです。







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