インディ500オープンテスト 佐藤琢磨選手コメント






【テスト1日目の手ごたえ】
もう少し走りたかったですね(初日48周走行)。1日目はセッションの延長はありましたが、翌日に向けての見直しと検証をしたかったです。1日目のラストはセッティングの見直し(セットダウン)が終わってラスト20分で走行再開できたのは良かったですが、プログラムはやりたいことの半分強しかできなかったですね。

【レースカーの感触】
やはり、チップガナッシレーシング(CGR)のレースカーの完成度は高いですね。1日目の午前中の2時間のセッションではCGRのインディ500用の基本セットアップがよくわかりました。最初は去年のエリクソンのセッティングで走りました。もちろんコンディションは去年と違いますが、それを自分がどう感じるかから初めました。
自分もインディ500でのセッティングに関してはかなり細かいことまで頭に入っていますが、自分でトライしていて方向性があっていたのかどうかわからなかったことがCGRのクルマで一つ一つ答え合わせができたので、自分としては大いに勉強になりました。

【今年のエアロパッケージ】
今年のレースカーは規定が変わってダウフォースが増やされて、テキサスでもそれを実感しました。レースはパックが大きくなって確実に面白くなると思います。でも全員がその恩恵を受けるのでレースが大きく変わるかるかというとわからないですね。ただ先頭で走るとかなり抵抗を受けそうですね。今まではダウンフォースぎりぎりで走る状況があったので、タイヤのドロップが大きくてメカニカルグリップ(足回りの調整)で対応する必要がありましたが、ダウンフォースで押さえつけてしまえば、みんなタイヤがけっこう持ってしまうので、各チーム間の格差はこれまで以上に小さくなるでしょうね。とはいえ、最後の最後はメカニカルグリップが大事になると思います。

【4台体制】
レイホール時代も複数台数あってグラハムとはずっと協力体制を築いてきましたが、二人のやりかたの違いで同じ感じになることは無かったですね。でも、2017年にアンドレッティにいた時はアロンソとハービーを入れて6台いましたが、全員で共有したものから自分に合ったものを選択してきましたが、CGRも同じ感じで、CGRの方がドライバーがそろっている分、リソースは豊富でこれ以上の環境はないと思います。テスト初日でもチームの全てのデータにアクセスできて、そのフィードバックも100%信用できます。ディクソンがどういうフィードバックをしているのかは興味深かったので事情に面白いですね(笑)。

【担当エンジニア】
担当エンジニアのエリック・カウディンはCGR在籍期間は短い方で、自分と同じように色々なチーム(アンドレッティ、KVレーシング、AJフォイト、デイルコインなど)を渡り歩いてきて、特にトニー・カナーンとは長らくコンビを組んできているのと、自分が在籍してきたチームのやり方を彼もよく知っている人物です。仕事のやり方も、あれこれやるのではなく、じっくりとコンサバティブに進めていくタイプなので、2017年にアンドレッティで組んだギャレット・マザーセッドとやり方が似ていると思います。自分もエディ―・ジョーンズや様々なベテランエンジニアと組んできたので、そこはうまく関係を築いていいクルマを作っていきたいですし、チームメイトもリソースも充実しているので一緒にやっていてすごく楽しいです。

インディ500まで直ぐですけども、じっくりと準備していきたいと思います。

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