【佐藤琢磨リリース】スピードが回復してきた矢先に低速車避けきれずリタイア


【佐藤琢磨公式リリースより】 先週行われた予選を16位で終えた佐藤は、21日のプラクティス8に臨んだ。「マシンのバランスとしては、予選1日目が特に苦しく、2日目に良いセッティングを見つけ、それを今日の決勝用セッティングでトライしたけれどうまく行きませんでした」とベストタイムは23位と低迷していた。

 金曜日に行われたファイナル・プラクティスでは6番手を確保し、「僕らは月曜日の苦労していた部分からは抜け出し、割と狙っていたバランスとグリップになって来た、というところだと思います」と決勝に向けて少し光がさして来たようだ。

 第102回インディ500は晴天の元、現地時間12時20分にグリーンフラッグとなった。佐藤は、6列目インサイドからのスタート。スタートは大きな混乱も無く、佐藤もポジションを一つ上げたが、その後佐藤のマシンはスピードが上がらず、最初のスティントを終えた時点では23位となってしまう。

 ピットでウィングの調整をしてコースに復帰すると、スピードも220mph台まで回復してきた。しかし、今年導入されたユニバーサル・エアロキットのせいなのか、レースは1列での走行が続き、なかなかポジションを上げることができない。そんな矢先、47周目のターン3を過ぎたところで、前を低速で走行していた周回遅れのジェームス・デイビソンを避けきれずに追突してしまい、そのままリタイアとなってしまった。
 レースはその後もクラッシュが頻発して、合計7回のイエローコーションとなったが、その中で最後まで安定した走りをみせたウィル・パワーが、インディ500初優勝を飾った。



【佐藤琢磨選手のコメント】 (あの接触は)速度差があり過ぎて避けきれませんでした。ジェームスがけっこう苦労しているのは、コーナーに入った瞬間に分かりました。彼は完全にアウトに膨らんでそのまま行くのかと思いましたが、残念ながらレーシングライン上で、かち合ってしまいました。ターンインのところからスロットルを完全にオフにして、ブレーキを踏み始めましたが、全然間に合いませんでした。こういう形で早々とリタイアしてしまったのは、すごく残念ですし、ここまでずっとクルマを作って来てくれたチームにも、ファンの皆さんにも申し訳無いです。

 今回は、スタートからすごく苦労しました。クルマが曲がらない状況で、予想以上にアンダーが強くて、トラフィックに入るとダウンフォースが無くなってしまうし、コックピットで使えるツールは全部使い切ってしまいました。ピットストップして、フロンウィングを上げてからだいぶ良くなったのですが、それでも足りなかったので、次の次のスティントくらいまでには、本来の調子を取り戻せるかなという感じだっただけに、早々のリタイアで残念でした。

 自分たちとしては、課題はいくつか残っていますし、純粋なスピードとしては、自分たちで解決して伸ばしていかなくてはいけないと思っています。このパッケージで走るテキサスに向けて、そこまでにできるだけの分析、解析を進めて行きたいです。

 この週末には、すぐにデトロイトが始まりますので、悔しい気持ちを切り替えてがんばりたいと思います。


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