【レースリポート】原因不明の挙動でウォールにヒット


佐藤琢磨公式リリースより

インディカー第4戦はアリゾナ州フェニックス、今シーズン初めてのオーバルレースだ。インディカーは2月にここで合同テストを開催していることもあり、2デーイベントとして開催された。

 今年の決勝は日曜日の午後6時半からとのことで、予選も土曜日の午後8時から行われた。佐藤は6番目のアタック。「チームの中で最初にアタックしたために、情報は提供するばっかりで、一切もらえなかった」とチームメイトのデータを共有できるメリットをここでは活かせなかったこともあり、そのため「エンジニアも慎重なセッティングを施すしかない状況でした」とかなり保守的なセッティングになってしまったようだ。強風にも悩まされ、ホンダ勢最下位の18番手から決勝をスタートすることになった佐藤だが、「決勝用セッティングはテストで好フィーリングを得ているので、明日のレースは問題なく速いペースで戦えるでしょう」とコメントした。

 決勝は1周約1マイルのコースを250周して争われる。午後6時半過ぎにグリーンフラッグが振られたが、ターン2でアレシンが体制を崩し、それを避けようとした後方のクルマが次々に接触して、5台が絡む多重クラッシュとなり、21周目までフルコースコーションとなった。

 幸い佐藤はこのアクシデントに巻込まれることはなく、順位を13位まで上げたが、マシンのセットが全く合わず、追い上げることはできなかった。

 133周目に佐藤は2回目のピットストップをするが、その後コースインして1周目のターン4でいきなりクルマがアウト側に持っていかれ、ウォールにヒットしてリタイアとなってしまった。この影響で2回目のフルコースコーションとなり、ラップダウンするクルマがいきなり出てきてしまい、結局リードラップに残ったのは4台のみという結果となった。優勝は昨年のチャンピオンのシモン・パジェノーで、オーバルでの初勝利を飾った。

2回目のピットアウト後の1周目、全くフロントがグリップしないで、クルマが曲がらずそのまままっすぐに行ってしまい、ラインに戻ることができませんでした。チームメイトのアレックスも全く同じ症状みたいでしたが、詳しい原因はまだ分かりません。とにかくいつもと全然違う感じでした。

【佐藤琢磨選手のコメント】
 今日のレースですが、残念ながらコース上ではほとんど何もすることができませんでした。自分の順位をホールドするのが精一杯で、前のクルマに近づくと、タービュランスでクルマが曲がらなくなり、フロントを逃しリアを守るみたいな走りが続き、ちょっとフラストレーションが溜まるレースでした。チーム4台ともリタイアとなってしまいましたが、コンディションはすべてのドライバーが同じですし、ホンダ勢でも健闘しているチームもあるので、今回テストでは良かっただけに残念でした。今週末、チームは予選も含めて厳しい戦いを強いられましたが、いい部分もいくつかあったので、それは確実に次のレースにつなげて行きたいと思います。


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