12月9日、佐藤琢磨選手はデイルコインレーシングwithリックウェアレーシングと契約し、2022年NTTインディカー・シリーズにフル参戦することを正式に発表しました。
「デイルとリックを始めとするデイル・コイン・レーシングの皆さんとともにレースを戦えることが決まり、言葉では言い表せないほどの喜びを感じています」 と琢磨選手ははいまの心境をコメント。
「デイル・コイン・レーシングはチームにとって不可欠な存在であるホンダとも深く結ばれており、どのタイプのサーキットでも彼らがコンペティティブであることは、過去何年もの結果によって証明されています」
「とりわけ、ここ数年のインディ500でチームが示したスピードはとても印象的です。新しい環境でレースを戦うことをとても楽しみにしていますし、いまはシーズンが始まるのが待ちきれない思いです」
琢磨選手はこれまでのインディカーシリーズ参戦12年シーズンで通算198回出走。6勝を挙げ、14回の表彰台と10回のポールポジションを記録しています。通算6勝にはインディ500での2勝が含まれ、通算896ラップリードと70回のトップ10フィニッシュも記録しています。
チームの共同オーナーであるデイル・コインは「NTTインディカー・シリーズを戦ったすべてのドライバーのなかでも、琢磨はベストの一人だといって間違いありません。あのインディ500を2度制した素晴らしいドライバーを、私たちのチームに迎え入れて来年のインディ500に挑むことが、いまは楽しみで仕方ありません。才能豊富な琢磨が2022年は私たちの一員になることを、チームの全員が歓迎しています」
同じくチームの共同オーナーであるリック・ウェアは「2022年シーズン、琢磨をデイル・コイン・レーシング・ウィズRWRファミリーの一員に迎え入れられることに深い喜びを感じています。琢磨はアメリカに限らず、世界中のモータースポーツで多くの経験を積んできました。彼の経験、そしてレースカーに関する膨大な知識によって、私たちのプログラムをさらに進化させるとともに、大きな成功を収められることを期待しています。きっと、彼の経歴には、インディアナポリス500での3勝目が付け加えられることでしょう」とコメントしています。
現時点でプライマリースポンサーや担当エンジニアなどは未定で、チーム体制の詳細は1月に改めて発表されるとのこと。
今回のデイルコインレーシングへの加入に関して琢磨選手に話を伺うと「去年(2020年)にインディ500で2勝目を挙げたことで、今後は若手を中心としたチームを目指すレイホールとは別の道をゆくことに決めました。その後は3チームと話し合いを持ちましたが、インディ500での優勝を切望するデイル・コインさんの熱意を受けて加入することに決めました。デイルさんは自身がかつてはドライバーとしてインディカーに参戦してきて、長い間インディカーシリーズでチームを運営してきたレジェンドの一人です。これまでも、黒沢琢弥さんが加入したり、郷和道さんと共にアレックス・パロウを参戦させたり、デイルさんは、ある意味”親日家”でもあります。これまでは若手ドライバーにチャンスを与えることをメインにチームを運営してきましたが、デイルさん自身もインディ500での優勝を目標にしてきています。2017年にロードアメリカの夕食のレストランで偶然会ったのですが、その時はわざわざ僕のテーブルまで来てくれてインディ500の優勝を祝福してくれました。チームの規模自体はかつて在籍したAJフォイトレーシングと同じくらいで決して大きなチームではありませんが、2017年と2020年のインディ500予選ではポールポジションを取れそうなほどの速さを見せたので、ポテンシャルは十分にあると思います。デイルさんのチームで走ることが本当に楽しみです」と語った。
新シーズンへ向けての事前準備に関しては現時点ではテストが1日が決まっているものの、さらに日程を調整中となっています。
チーム体制はこれからで大変とは思いますが、今から開幕戦が楽しみです。