【佐藤琢磨公式リリース】予選でクラッシュして決勝に間に合わず



【佐藤琢磨公式リリース】 2020インディカー・シリーズが、テキサス州フォートワースのTexas Motor Speedwayで開幕した。当初3月15日にセント・ピーターズバーグで開幕するはずだったインディカー・シリーズは、COVID-19の感染拡大で日程が大きく変更となり、ようやく開催にこぎつけることができた。ただ、INDYCARとアメリカ保険当局はファンと参加者の安全を考慮して、1日のみの無観客レースでの開催となった。
 今年も佐藤琢磨は、RAHAL LETTERMAN LANIGAN RACINGからゼッケン30番のマシンで参戦する。レギュレーションで今年から全車にエアロスクリーン*の装着が義務付けられたが、それ以外では大きな変更点はない。今年引退を宣言したトニー・カナーン(45歳)がスポット参戦のために、フル出場するドライバーでは最高齢(43歳)となった佐藤の活躍に大いに期待したい。

 佐藤は、昨年ここTexas Motor Speedwayでポール・ポジションを獲得しているので、今年のパフォーマンスが大いに期待された。現地時間13時40分から始まったプラクティス、佐藤は51周をこなして213.829mphをマークして総合6位に入った。
 現地時間17時から始まった予選、佐藤はウォームアップに入ろうとしたターン1でいきなり、リアからマシンが滑り出してウォールにヒットさせてしまい、タイムを計測することが出来なかった。

 メカニックの懸命の修復も予選から決勝までほとんど時間がなく、結局佐藤は決勝に出場することが叶わなかった。決勝は19時から200周で争われ、予選2位のスコット・ディクソンが完璧な走りで優勝した。

*エアロスクリーンは、Red Bull Advanced Technologiesによって開発されたドライバーの頭部を衝突したときの破片などから守るためのデバイス。約15分で取り付け取り外しが可能で、スクリーン(17.3ポンド)は時速220マイル以上で2ポンドの物体に衝突しても耐えることができ、それを支えるチタンフレーム(27.8ポンド)は34000ポンドの力に耐えることができる。スクリーンの汚れ防止のため最大で8枚のティアオフが装着できる。今年からエアロスクリーンの担当者が1名、レース時にピットウォールの外に出て作業ができるようになった。


【佐藤琢磨選手のコメント】 プラクティスでは結構順調だったと思います。今回は昨年のクルマに近いものを持ち込んで来ましたが、今年はエアロスクリーンが装着され、またタイヤも変わって、いろいろな状況も去年とは異なっています。それはみんな同じ条件と云えばそうなのですが、なかなかチャレンジングな状況でした。そんな中でもプラクティスではバランスも、ラップタイムもそこそこ良かったので、予選に向けては結構楽しみにしていました。タイヤのセット数の関係で予選のシュミレーションがほどんどできないまま予選に行かなくてはいけなくて、今思うと、エンジニアともいろいろ見ましたが、ちょっとセッティングを攻め込み過ぎたのかもしれません。予選のウォームアップでペースを上げてクルマの状況をチェックしたかったのですが、そのためにターン1に入った瞬間にリアが流れてしまいました。自分でも全く予期せぬことで、こういう形で決勝に出れないことがとても残念です。

 1デー・レースということで、メカニック達も本当に懸命な修復作業をしてくれましたが、直近でスケジュールが変更になって現地時間の18時45分までに車検を通さなくてはならず、最後の1分まで懸命に作業をしてくれましたが、間に合いませんでした。

 ただ、こういう状況の中でもレースが開催できたということは素晴らしいことだと思いますので、今回は自分にとっては残念な結果でしたが、第2戦、第3戦に向けて気持ちを切り替えて頑張っていきます。

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