エアロスクリーンの初の実車テストは大きな成果を上げる


インディカーとレッドブル・アドバンスドテクノロジーが共同開発したコクピット保護装置のエアロスクリーンの初めての実車テストが現地2日にインディアナポリス・モータースピードウェイで実施されました。



テストに参加したのはチップガナッシレーシングのスコット・ディクソンとチームペンスキーのウィル・パワーで、シリーズチャンピオン、インディ500優勝経験者の二人が延べ650マイルをトラブルなしでテスト走行を終えました。



パワーは129周を走行して 224.591mphを記録。ディクソンは128周を走行して224.501mph.を記録しています。



走行に当たっては、視界や風による頭のブレ、ハンドリングバランスなどには問題は無く、2020シーズンからのエアロスクリーン導入に関しては大きな前進を見せています。



インディカー社長のジェイ・フライは「我々は高次元の完成度を求めていたが、テストの結果は多くの点でそれを上回るものだった。我々が想定したほとんどの点で基準をクリアし、しかも大きな成果があった。一番重要なのは基本構造がしっかりしていて、全チームの安全性がこれで高まることは非常に喜ばしい」とコメント。



エアロスクリーンはチタン製のフレームとポリカーボネート製のスクリーンの組み合わせで、スクリーンの内側には反射防止コーティングが施され、曇り止め防止装置が装着されます。合わせて、コクピット内の温度上昇を抑えるためのクーリングダクトがダラーラによってデザインされます。



チタニウム製のフレームは前方センターと後方2か所でロールフープと一体化され、耐荷重性能はFIAで開発されてF1で使用されているヘイローと同じ150kN(225ポンド)となっています。



テストに参加したパワーは「こんなに早く実用化が進んで驚かされる。 高速走行ではほとんど問題ないが、若干修正すべき部分はある」とコメント。



ディクソンは「このプロジェクトに多くの人々がこれまで精力的に作業してきた結果、今日ここにすべての成果が出た」とコメントしています。さらにディクソンはエアロスクリーンの整流効果でコクピット内がこれまで以上に静かになった結果、チーム無線が非常に聴きやすくなったことに言及しています。



「ヘルメットへの風圧は激減して、視界にも大きな問題はない。ただし、センターウィッカーの所のテアオフの切れ目の部分は改善の余地がある」と問題点にも言及しています。



インディカーは今後は10月7日にバーバーモータースポーツパークでロードコースのテストを行い、パジェノーが参加し、ハンターレイが参加。10月15日にはショートオーバルのリッチモンドで、ディクソンとニューガーデンがテストを行い、11月5日にはセブリングインターナショナルレースウェイでヒンチクリフとブルデイがテストを行うことになっています。

2件のコメント

  1. 2017年までの大柄なカウリングだったら、案外違和感無かったのかも?
    何年後かには、ヘルメットむき出しのフォーミュラカーに、過去のアルミモノコックを見る時のような感慨を覚えるようになるのでしょうね。

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