アロンソがインディ500に挑戦する意義



世界三大レースと言われる中で、インディ500は100回の開催をすでに数え、ルマン24時間レースは84回、モナコ・グランプリは63回が開催されています。

この長い歴史の中で世界三大レースを制したのはグレアム・ヒルただ一人です。ヒルはインディ500初挑戦の1966年に優勝し、1972年にはヘンリ・ペスカローロと共にルマン24時間レースを制したほか、モナコGPでは5勝(1963年64年65年)、を挙げています。

以前より3大レースを制したいと公言していたアロンソにとって、今回はその目標を達成するための大きなチャンスになっています。

35歳のスペイン人、フェルナンド・アロンソはF1世界選手権で2回チャンピオンとなり、モナコGPはルノーから参戦した2006年とマクラーレンから参戦した2007年に優勝しています。しかし、ルマン24時間レースには参加したことがありません。

今年のモナコGP参戦を欠場してまでインディ500に出場するというアロンソの選択は決して思いつきなど軽いものではないことはマクラーレンとホンダの本気のバックアップ体制から見ても伝わってきます。

この40年間、世界三大レース制覇を目指すドライバーが現れることはありませんでしたが、これはインディ500とモナコGPの開催が同一日だったことが原因となります。インディ500は1911年の第1回大会からアメリカ戦没者記念日の前日と定められていて、この日にモナコGPが開催される限りはF1ドライバーのインディ500参戦は不可能でした。

時速360キロ以上でターン1に飛び込むインディ500、ガードレースに囲まれた曲がりくねった狭いコースを走るモナコGP、漆黒のユノディエールを時速400キロで疾走するルマン24時間レースと三大レースのキャラクターは大きく異なります。

今回、アロンソは、未経験のオーバルトラック、しかも最もハイスピードでテクニカルなインディアナポリス・モータースピードウェイでインディカーデビューを果たそうということで、今回の挑戦は世界中のレースファン、レース関係者の注目を一気に集めることになっています。

インディ500初挑戦、オーバルレース初挑戦となるアロンソに勝算はないのか?去年のインディ500ではルーキーのアレクサンダー・ロッシがオーバルレース2戦目で優勝しているのは記憶に新しいところ。

今回のアロンソはオーバル経験は全くない中でのインディ500挑戦ですが、チームメイトにはそのロッシの他に、2014年にインディ500で優勝しているハンターレイ他、インディ500でトップ争いをしてきたマルコ・アンドレッティや佐藤琢磨がいる他、アロンソのピットにはマイケル・アンドレッティがストラテジスト(参戦担当)を務め、マリオ・アンドレッティがアドバイザーを担当するという万全の体制。

そもそもアロンソはF1史上でも歴代6位となる通算32勝を記録するという逸材で、2017年オートスポーツ誌の投票では217人中9位となっています。

3大レース中で2勝を挙げたドライバーは史上6人。
①タツィオ・ヌヴォラーリ(32年モナコ、33年ルマン)
②モーリス・トランティニアン(54年ルマン、55年58年モナコ)
③ブルース・マクラーレン(62年モナコ、66年ルマン)
④ヨッヘン・リント(54年ルマン、70年モナコ)
⑤AJフォイト(61年64年67年77年インディ、67年ルマン)
⑥ファン・パブロ・モントーヤ(00年インディ、03年モナコ)

アロンソはまず2勝した7人目に入れるのかが三大レース制覇への第一歩になります。

コメントを残す