大勢のボランティアに支えられるインディカーレース


http://www.indycar.com/News/2016/07/07-17-Toronto-volunteers
あまり話題になることはありませんが、インディカーレースの現場では多くのボランティアスタッフたちが活動し、より楽しい、より安全なレースイベントの運営には欠かせない存在となっています。

このボランティアスタッフたちの活躍に対して個人的にお礼をするインディカードライバーも少なくありません。

「炎天下や雨の中でもボランティアでひたすら仕事をこなす彼らの活躍ぶりには本当に脱帽です」とウィル・パワーはコメントしています。

続けて「去年のミッドオハイオでモーターホームで過ごすコースマーシャルスタッフに会いに行きましたが、彼らはインディ500でもボランティアをしていたそうです。彼らはレースをよく理解し、そしてレースに参加しているのだと感じました。」と語っています。

ボランティアスタッフの中には2016年シーズン16レースすべてに参加するスタッフもいるそうです。今回のトロントにもその姿はありました。その中の二人はコースマーシャルでドライバーと観客の安全性の確保を担っています。

今回のインディトロントのイベントプロモーターで他2大会も開催するグリーンサボリープロモーション代表のケビン・サボリーは「コースマーシャルやセーフティスタッフなしにはレースイベントは成り立ちません。彼らは心からレースを理解し、自分たちの役割を真剣に理解して、素晴らしい働きを見せています。」と評価しています。

コースマーシャルのうちの何人かはレースコースごとにどの場所に配置されるかがほぼ毎年決まっていますが、9年ぶりの開催となったロードアメリカでのレースはその例外となりました。

今回のトロント戦では150人ものコースマーシャルがいましたがそのほとんどはブリティッシュ・オートモービル・レーシングクラブのメンバーで、すべてのメンバーが訓練を受けてFIAが設けるライセンスを基準をクリアしています。

これらのボランティアのコースマーシャルはレースの安全性を確保するために、時には危険が伴う任務に就くこともあります。過去にトロントでは1996年のジェフ・フロスノフのクラッシュで飛んできた破片にあたったコースマーシャルが命を落とすという痛ましい事故がありました。

レースコース外でも25チーム、300人ものスタッフが働き、会場での交通整理、物品の搬入搬出、観客の誘導案内を担当しています。

今回のトロントではレース開催の1か月前には事前に募集したボランティア人数に達しました。中には自費で交通費を使って遠方から参加するスタッフもいます。

それぞれのイベントでは核となるボランティアグループが存在しますが、お互いのグループが協力し合うこともあります。たとえばセントピーターズバーグのスタッフがオハイオに応援にったり、逆にオハイオのスタッフがセントピートを手伝うこともあります。

ボランティアスタッフはレースイベントへの奉仕や観客へ奉仕することで、さまざまな経験を積み重ねていっているのです。

セントピーターズバーグのピット出口先インサイドのターン2担当のフラッグマーシャルのおじさんは毎年同じ人で、その人には顔を覚えられました。以前には富士スピードウェイでもフラッグマーシャルをしたことがあるとのことで、私が日本人だと気が付くと話しかけてきました。
そのエリアに関しては完全にそのフラッグマーシャルの判断に任されていて、2009年のレースではターン2のピットレーン出口で1台がハーフスピンをしてストップ。そのフラッグマーシャルはフラッグをもう一人に任せると一人でコース上に飛び出して止まったレースカーを押してコースに戻していました。なんとセーフティートラックが到着する前に。ものすごく素早い判断でした。そのシーンは中継映像にも映っていました。

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