体制強化の手を緩めないチップガナッシレーシング



6回目のシリーズタイトルを獲得したスコット・ディクソン。2020シーズン開幕前に大きなチーム体制変更がありました。

チームオーナーのチップ・ガナッシとマネージングディレクターのマイク・ハルはチーム改造を常に進め、これまで長らくディクソンと組んでいた担当エンジニアのクリス・シモンズ(元インディライツ参戦ドライバーでジェフの弟)をチームのパフォーマンスディレクターと言う新しい役職に昇格させました。

さらにチームは昨年いっぱいで活動を終了させたIMSAでのフォードGT参戦プログラムに携わっていたスタッフを3台のインディカー参戦体制に振り分けました。

しかし、体制革新に見えた体制変更にも”温故知新”を求めました。
昨年までデイルコインレーシングでフェルッチを担当していた超ベテランエンジニアのマイケル・キャノンをディクソンの担当エンジニアに引き抜きました。

カナダ出身で父親が有名なスポーツカードライバーだったキャノンは、結果的に斬新なエンジニアリング手法をチームにもたらし結果につなげることに成功しています。

ハルはこの結果を斬新な手法と言うよりかは、別角度のからの見方を増やした結果だと分析しています。キャノンはチームが所有する膨大なリソースを的確に把握して合理的にスタッフを配置し新たな職種と役職を設けた結果、様々な角度から新しい視点で仕事を進めることができたとも評価しています。

2020シーズンの開幕は予定よりも3か月遅れましたが、その間に十分な準備を行ってきた結果、ディクソンとキャノンのコンビは開幕3連勝を成し遂げてドライバーズランキングでの独走に成功しました。

チームの体制革新はディクソンの結果だけにとどまらず、第4戦のロードアメリカレース2ではローゼンクイストにインディカー初優勝をもたらしてチーム4連勝を成しとげ、このチーム体制革新は大成功であったことを証明しています。

ディクソンは「彼はこれまでにない考え方や視点を持っているが、今年になって初めてコンビを組んだとは思えない関係で、開幕戦の優勝からシーズンを通じて本当に痛快だった。今後もこの関係を維持したい」とコメントしています。

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