パジェノーがパリに凱旋
今年のインディアナポリス500マイルレースを制したシモン・パジェノーが母国フランスのパリに優勝トロフィーのボルグワーナートロフィーと共に凱旋し、トロフィーのつけられる自身の塑像のお披露目を行いました。
「アメリカ国外で初めてお披露目を行うドライバーとして光栄です」とパジェノーはコメント。
例年はトロフィーの塑像のお披露目はシーズン終了後の12月にインディアナポリスモータースピードウェイで行われ、シーズン途中でしかもアメリカ国外でのお披露目は極めて異例となります。
パジェノーのインディ500優勝はフランス出身ドライバーとしては史上5人目(ドフェランを含む)で、1920年のガストン・シボレー以来となります。ガストン・シボレーはシボレーの創業者の一人です。
今回、トロフィーのお披露目セレモニーはエッフェル塔を仰ぎ見るパリのル・メリディアンホテルの屋上テラスで行われました。
お披露目された自身の顔の塑像に対してパジェノーは「すばらしい出来で満足しています、髪型もパフェクト!自分の顔がトロフィーと共に永遠に残るというのは感慨深いです。このようなトロフィーはボルグ・ワーナートロフィー以外には存在しません」とコメントしています。
今回の異例中の異例ともいえるシーズン中のパリでのトロフィーお披露目には、同じフランス人でボルグワーナー社CEOのフラッド・リサルデ氏の尽力がバックにありました。
「ボルグワーナートロフィーはモータースポーツ界で最も偉大な伝統を持つトロフィーの一つで、オープンホイールレースの頂点の象徴でもあります。そのトロフィーを今日この地でお披露目できることを非常に光栄に思うと共に、彼が成し遂げたモータースポーツ界での業績として最高位に当たる栄誉をボルグワーナー全社員3万人と共に祝福したいと思います」と祝辞を述べています。
ボルグワーナートロフィーが製作されたのは1935年で、1936年大会で優勝したルイ・メイヤー(初めてレース後にビクトリーレーンで牛乳を飲んだ人物)が受賞者第1号となりました。
パジェノーはボルグワーナートロフィーを飾る106人目の顔となります。
【トロフィーの大きさは?】 銀製のトロフィーは高さ163cm、重さ69㎏で、2003年に台座がより大きなものに交換されて今のサイズになっています。台座には2033年までの優勝者のスペースが確保されています。
【一大会で顔が二人分】 過去2大会で優勝者の顔が二人並んでいるところがありますが、これはリリーフドライバー(途中でドライバー交代)があったためにそれぞれ二人の顔が刻まれました。
【黄金の顔】 初めて台座が取付けられた1986年に、ボルグワーナートロフィー30周年を記念して、戦後インディアナポリスモータースピードウェイのオーナーとなってインディ500を世界的イベントにまで成長させたトニー・ハルマン氏の顔が金で製作されて取り付けられています。なので、琢磨選手は104人目の顔となります。
【もっとも複雑な顔】 1983年に優勝したトム・スニーバはメガネをかけて優勝した初めてのドライバーで、このメガネをかけた顔を制作するのに相当苦労したという話があります。初期の優勝者にはヘルメットとゴーグルをしたままのレリーフもあります。
母国凱旋は恒例イベントではありませんから。