idle_sound
2014シーズンからピットで止まっているときのアイドリング時のエンジン音が大きく変わったのをご存知でしょうか?
上のリンクで音が聞けますが、まるで屋台の発電機、もしくはエアコンプレッサーのような音がします。
2014年のプレシーズンテストで初めてこの音を聞いた時にHPDのエンジニアに質問したのですが、答えてくれませんでした。当初はホンダエンジンだけでしたが、開幕3レースあたりでシボレーも同じ音になっています。
タネを明かすと、アイドリング中は6気筒中の1~2気筒のみを点火させてエンジンを回し、残りのシリンダーはまさに空回りをするだけのエアコンプレッサーになっていて(実際には圧縮された空気はそのまま排出されるだけ)、エンジン回転数が5000~6000になると6気筒すべてが点火し始めるようになるシステムになっています。
このシステムが導入された目的は排気温度を下げることにあります。
高温高圧でタービンを回すターボチャージャーはオイルで冷却されます。そのオイルは右側のサイドポッドにあるオイルクーラーで冷やされます。
しかし、ピットインの時は速度が0になるだけではなく、ぞの前後には長い減速区間が発生します。
インディカーでは空気抵抗が最少となるように最低限の開口部しかサイドポッドには設けません。つまり、レース走行時には十分に冷やされるオイルも、ピットイン前後では冷却不足になるということです。
その冷却不足を解消するためにピットイン時には排気温度を下げてターボチャージャーを冷やそうというわけです。