フォンタナ戦に否定的なドライバーは3人ほど


フォンタナ戦は“狂気”と苦言を呈したドライバーは3人ほどです。賛否両論というほどに二分はしていないようです。



まずは琢磨選手と接触してレースを終えたウィル・パワー。アクシデント直後で興奮していたせいもあったでしょうが、いささか感情的に語っていました。
「ライアンが無事で本当によかった。ラスベガスの時のような大集団のレースだった。誰もけがをしなくて本当によかった・・・・エキサイティングでもあったし常軌を逸していた部分もあった。とにかくクレイジーなレースだった。もうラスベガスの時のような事故は起こすべきじゃないし、これじゃあ時間の問題だと思う。」



パワーは以前のフォンタナでのパックレースを経験していません。クラッシュ直後の態度を見ても少し頭に血が上りすぎての発言なのでしょう。



レース後の記者会見ではトニー・カナーンがこう発言しています。
「予想以上に密集したレースになって、ストレスの多い長いレースになった。最後がイエローで終わってホッとしている・・・・2011年のラスベガスで親友を失ったことは忘れられない、今日のレースはまさにそんな感じだった・・・・・ファンが何を望んでいるかはわかっている。もしここに10万人もの観客がいるならともかく、5000人だとしたらその必要はあるのか疑問だ。ただこれはだれの責任でもないし、新しいエアロパッケージなのだからどれが適切なのかはわからない。テキサスでは問題は起きなかったが、観客からは退屈なレースだったとの声が多かったのは知っている。」



この答えに対して質問者は「カーペンターやAJフォイトは違う意見(※後述)のようだが、10万ならやって5千ならやらないというのは不誠実ではないのか?」とツッコミが入りました。確かにTV視聴者を入れれば数百万になります。それに対してTKはこう答えています。
「あなたは人生を危険にさらしているのか?そうじゃない。椅子に座ってメモを取っているだけだ。もしあなたが親友をレースで失えばその意見は変わるはずだ。」と返しています。



この問答に関して私はマイク・コンウェイが選択した道をTKに勧めたいと思います。



ポイントリーダーのJPモントーヤのコメント
「正直なところちょっとやりすぎだと思う。インディカーではこんなレースにするべきじゃないと昨日インディカースタッフに訴えたんだ。そのうち誰かが大けがするって。今日は勝ちを狙わずにディクソンよりまえでフィニッシュすればいいと思ってた。」



事実モントーヤはおとなし目の走りで急なライン変更や追い越しをしていなかったので説得力はあります。ほかにはパワーのストラテジストのティム・シンドリックが”ラスベガス”を引き合いに出していましたが、それ以外にレースにネガティブな意見は見ていません。



この3人のコメントだけをとって”ドライバーたちが苦言”とするのは偏りすぎですね。





AJフォイトはこのようにコメントしています。
「こういうレースは大好きだ。ただ見てるだけじゃなくて俺が出たいくらいだ。存分にレースができる。ただ今日は我々の日ではなかった。ディクソンとパワーに挟まれてレースが終わってしまったがこれもレースだ。今日は我々の日では無かったということだ。」

TVリポーターがさんざんシンドリンクの否定的な意見を引き合いに出してAJをあおりましたが、AJは笑顔ではねのけました。



カーペンターはレース直後に早くもツイートしています。
「自分はインディカーでの接近戦は好きだ。ドライバーがシリーズの悪口を言うのは見ていられない。レースがしたければすればいい。いやなら引退すればいい」とバッサリ。オーバルマイスターならではの意見です。



マルコ・アンドレッティ
「クレイジーなレースだったが、パックレースはこんなものだ。みんなが行きたい方向に動いてた。楽しいが極めて危険でもある。でもそれが我々の仕事だ。ファンが楽しめるレースをすることがね。」アンドレッティ家の血筋です。



優勝したレイホールのコメント。
「まさにレースという感じだった。この数年はダウンフォースが減らされてまともなレースにならず、一列でひたすら前を追いかけるというレースが多かった。ここまでの接近戦である必要はないが、今日は楽にパッシングができた。もちろん難しシーンもあった。前だけではなく後ろにも注意を払わなければならなかったし。舗装の継ぎ目をまたぐ必要もあった。そういう意味では楽なレースではなかった。」



クラッシュして宙を舞ったライアン・ブリスコーは、
「エキサイティングなレースだった。マシンは好調でインサイドから面白いようにバンバン前を抜けた。すごく攻めることができて自分としては楽しかった。最後は飛んだけど体は無事だし幸いにも大事には至らなかった。次の目標に向かうだけです。」とコメント。



さらにツイッターでは
「すごいレースだった。何人かはもっと慎重になる必要があるが、レースはすごくエキサイティングだった。」とレースに対してのネガティブな発言は見られません。



少なくとも、どこからが危険でどこまでが安全と明確に線引きすることはできません。レースから危険は取り除けません。多少のダウンフォースの調整は必要だと思いますが、今回のパックレースが危険すぎて常軌を逸しているとは個人的には思いません。

2件のコメント

  1. 松浦さんが、もう出たくないと言っていたのは少しショックでした

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