激動のインディカーシリーズ2000年代を振り返る




2000年からの10年間、インディカーシリーズには様々なドライバーが参戦し、より激しいシーズンが展開されました。



その代表格のドライバーがスコット・ディクソン。2000年に12戦6勝でインディライツチャンピオンとなって2001年シーズンからインディカーシリーズにステップアップ。パックウェストからの参戦で3レース目のナザレスで初優勝。翌年にはトップチームのチップガナッシレーシングに抜擢され、ここまでの20シーズンで通算50勝と6回のチャンピオンタイトルを獲得しています。



2000年代にはディクソンの他にもホーニッシュJr.ブルデイハンターレイパワー、パジェノーというスタードライバーが出現しただけではなく、ポールポジションを獲得したフィッシャーや1勝を挙げたパトリックなどの実力派女性ドライバーの活躍も目立ちました。



そして、2000年代はカストロネベスカナーンダマッタがキャリア初優勝を上げた一方で、マイケル・アンドレッティアンサーJr.トレイシーがキャリア最後の勝利を記録した年代でもあり、大きな世代後退の波が押しよせました。



2001年にカストロネベスはインディ500で初優勝して史上初めてIMSで金網登りを披露し、2005年インディ500ではレース終盤にダニカ・パトリックウェルドンからラップリードを奪って場内を沸かせ、2006年インディ500ではホーニッシュJr.がフィニッシュライン直前でルーキーのマルコ・アンドレッティから逆転勝利をもぎ取りました。



2004年と2007年のインディ500は共に降雨打ち切りとなりましたが、ライスフランキッティが初優勝しています。



2003年インディ500ではドフェランが優勝してカストロネベスの3連勝を阻止しながらもチームペンスキーとしては3連勝を達成。



3連勝と言えば2005年にトレイシーウェルドンブルデイアルメンディンガーディクソンが3連勝記録。ウェルドンはさらにインディ500を含む5連勝を成し遂げてチャンピオンタイトルを獲得。ブルデイは2004年以降に3連勝を3回達成して4年連続でチャンンプカーのシリーズタイトルを獲得しています。



2008年シーズンにはこれまで別れてシリーズが開催されていたチャンプカーとインディカーが合流して、ますますシリーズの激化に拍車がかかりました。



その前年のインディカーシリーズでは最終戦シカゴランドの最終ラップ最終ターンでラップリーダーだったディクソンの燃料切れによってフランキッティが初タイトルを獲得。しかし、フランキッティはその前の2レースで宙を舞うクラッシュを喫して土俵際まで押し込まれてのタイトル獲得でした。



2000年代はハイバンクオーバルでの集団バトルも一般化して接戦でのレースが多発。2002年シカゴランドではラスト22周に渡ってホーニッシュJr.アルJr.が接戦を演じて、史上最少となる.0024 差での勝利を記録しました。インディカー史上最少差レースのうちの5レースが2000年代で記録され、その5つの記録には歴代TOP4が含まれています。



2005年のセントピーターズバーグではアンドレッティグリーンレーシングの4人のドライバーがTOP4を独占するという珍記録も誕生しています。



2000年代の10年間で最も成功したドライバーは誰だったのか。31勝を挙げて4回チャンピオンになったブルデイ。インディ500での勝利を含む22勝と2回のタイトルを獲得したディクソン。インディ500制覇を含む19勝で3回のタイトルを獲得したホーニッシュJr.。22勝と共にボルグワーナートロフィーに3つの顔を残したカストロネベス。インディ500優勝を含む17勝にチャンピオンタイトル1回のフランキッティ・・・。



2000年代はロビー・ビュールの開幕戦勝利で始まり、フランキッティの最終戦優勝で2009年シーズンが終了するまでにアンドレッティ親子や、ラジアー兄弟、モトクロスチャンピオンから転校したジェフ・ワード、史上初の女性優勝ドライバーとなったダニカ・パトリックなど284レースで50人のウィナーが生まれました。



【シリーズチャンピオン】4回: Sebastien Bourdais
3回: Sam Hornish Jr.
2回: Gil de Ferran, Dario Franchitti, Scott Dixon
1回: Buddy Lazier, Cristiano da Matta, Paul Tracy, Tony Kanaan, Dan Wheldon



【レースウィナー】31勝: Sebastien Bourdais
22勝: Helio Castroneves、Scott Dixon
19勝: Sam Hornish Jr.
17勝: Dario Franchitti
16勝: Paul Tracy
15勝: Dan Wheldon
13勝: Tony Kanaan
12勝: Cristiano da Matta
8勝: Bruno Junqueira
7勝: Gil de Ferran
6勝: Buddy Lazier, Adrian Fernandez, Justin Wilson
5勝: Scott Sharp, Ed Carpenter, Kenny Brack, AJ Allmendinger, Ryan Briscoe
4勝: Michael Andretti, Juan Pablo Montoya, Will Power
3勝: Max Papis, Al Unser Jr., Buddy Rice, Ryan Hunter-Reay
2勝: Gil de Ferran, Roberto Moreno, Jimmy Vasser, Eddie Cheever Jr., Greg Ray, Mario Dominguez, Alex Barron, Tomas Scheckter, Michel Jourdain Jr., Robert Doornbos, Bryan Herta
1勝: Christian Fittipaldi, Robbie Buhl, Scott Goodyear, Airton Dare, Jeff Ward, Jaques Lazier, Felipe Giaffone, Alex Tagliani, Oriol Servia, Marco Andretti, Nelson Philippe, Graham Rahal, Danica Patrick

6件のコメント

  1. めっちゃいいまとめですね!
    勉強になります!
    ありがとうございます!
    1. dedeさんへ
      自分もいい勉強になりました!!記憶の整理に役立ちましたね。
  2. 過去の放送良いですね。分裂した96年から観たい所ですがガオラが放送開始した2000年あたりからノーカットで是非!

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