インディカーがコンテンツデー(メディアデー)1日目を実施②


2024年インディカー・シリーズの開幕まで、まだ2か月余りありますが、インディカーは現地1月10日にインディアナポリスで、メディア向けのコンテンツデーを実施。今シーズン参戦がすでに決定している28人のドライバーが参加しメディアの取材を受けました。

コンテンツデーは2日間に分けて行われ、ウェブサイトやTV局用の写真、プロモーション映像、インタビューなどが実施されます。

初日の午後の記者会見に参加したドライバーの今年の抱負をご紹介します。







シーズン20年目を迎えるチーム・ペンスキーのウィル・パワーは2回のタイトルと通算41勝、さらに70回の歴代最多ポールポジション獲得を記録。このオフシーズンには首を負傷するもすでに回復。昨年は妻のリズが病床に倒れるなどして、私生活では心労が続き、2023シーズンは未勝利で16シーズン連続の勝利記録がストップ。

「昨年の開幕前は明らかに準備不足ですが、今年は大丈夫です。妻のリズも今は運動ができるほどに回復しました。今年は今までの様にすべてのレースに100%集中することができます。シーズン後半から使用するハイブリッドカーがどう乗りこなすかがタイトル争いのカギになります。重量も増えて重量配分も大きく変わります。その変化に早く慣れることが必要です。ハイブリッド車は2日間テストをしましたが全く問題はありませんでした。ただ、供給体制に問題があるので、そのような問題をすべて解決したうえでの導入は望ましいことだと思います。重量は重くなりますが、その分パワーも上がるので大きな変化はないと思いますが、作戦面では違う戦い方が要求されるでしょう。シーズンは優勝回数よりも安定して上位でフィニッシュできることを目標としたいです」







シーズン3年目となるデイビッド・マルーカスは2年間在籍したデイルコインレーシングからアローマクラーレンへ移籍。競争力の高いチームでキャリア初優勝を狙う。

「チームに加入して、今はすべての物の見え方が変わって見えます。競争力の高いチームで期待と希望にあふれ、表彰台と勝利を狙っていきたいです。チームにはリソースも豊富でカナーンという頼もしいアドバイザーもいます。彼はいつも私に肉を食べさせようとします…。パトとロッシという素晴らしいチームメイトにも恵まれています。自分はまだ22歳でこれからまだまだ勉強していかなければなりませんが、この環境を十分に生かして自分のスキルを確かめ、能力を最大限に発揮していきたいと思います」







フル参戦4年目のチームペンスキーのスコット・マクロクリンは昨年はアラバマで1勝したほか、2位表彰台を3回記録してランキング3位に。

「ビザも更新して、家を購入して2匹目の犬も飼い始めました。レース以外の生活面も充実させて新シーズンに臨むことができます。オフが充実するとスイッチが入った時との違いが明確になってメリハリが出るのはいいことだと思います。昨年はいいシーズンだったかと思います。いくつかのレースでは勝利を落としましたが、今年も昨年同様に十分な体制で臨めそうです。今はタイトル争いは意識していませんが、いかに有効にレースカーを走らせることができるかに集中しています。(エンジニアの)ブレッツマンといつもそのことに集中しています。その結果、シーズン終盤でタイトル争いができる位置につけていることが理想だと思います」







メイヤーシャンクレーシングからフル参戦するルーキーのトム・ブロンクイスト。IMSAスポーツカー選手権からインディカーシリーズへ戦いの舞台を移す。

「何をするにも新たなことばかりで、このような感覚は非常に新鮮です。この9年くらいは自分が慣れ親しんだ環境で過ごしてきましたが、インディカーの世界では何もかもが新鮮な感覚で興奮しています。今まではある程度の見通しが立てられる中での活動でしたが、今は全く違うので、あまり大きな目標は立てずに小さな目標から挑んでいこうと思います。インディ500は非常に楽しみです。スピードウェイにも行ったことがないので何が起きるのか想像もできません。なのでエリオがチームメイトというのは非常に頼もしいです。彼とはこれまでもIMSAでは一緒に参戦してきたのですごく頼り甲斐があります。自分にはフォーミュラeやIMSA/GTPで電動車やハイブリッド車の経験があるので、それを生かしていきたいと思います」







フル参戦4年目のロマン・グロジャンはアンドレッティグローバルからフンコスホリンガーレーシングへ移籍。この3年で2位フィニッシュが5回あるも、いまだに勝利はない。

「新たな環境にはうまくなじんでいます。まだ3年目のチームなので勝利を目標に置くというよりもチームをできる限り前進させたいと思っています。やるべきことはたくさんありますが、チーム全員が非常に意欲的で着実に課題を解決していっています。小松さんがハースの代表になったのは非常にうれしいですね。自分にも刺激になります。IMSAのランボルギーニGTPプログラムに楽しみですが、セブリング12時間からの参戦になる予定です。GT3クラスはデイトナ24時間レース参戦へ向けて準備が進んでいます。アンドレッティでの2年間では多くの収穫がありましたが、今はこのチームでないができるかに集中しています」







インディカーシリーズ参戦2年目のアウグスティン・カナピーノ。今年もフンコスホリンガーレーシングからのフル参戦。これまでにアメリカ在住経験がなかったカナピーノはこの1年間で英語力がかなり上達。

「英語の勉強はインディ500予選よりも大変でした(笑)。最終戦のラグナセカでは接触で順位を下げましたが表彰台を狙える4位まで上がっていったのでだいぶ自信をつけました。昨年はチームも初めての2台体制で、その2台ともリーダーサークルプログラム(参戦助成金)の資格が得られたのもよかったです。もう初めて走るコースはないと言ってもいいので結果を残していきたいです。昨年はあらゆることに慣れることで精いっぱいでした。今年はトップレースでの経験豊富なロマンから様々なことを吸収して一緒にチームを強化して自分も成長していきたいです。」







昨年は5勝を挙げて2回目のシリーズチャンピオンとなったアレックス・パロウ。今年は5台体制となるチップガナッシレーシングでDHLのイエローをまとう。

「もうこの色に慣れましたが、どこにいても目立つでしょうね。去年はインディ500でのポールポジション獲得から、それに続く5勝は素晴らしいものでした。今は娘が生まれて毎日寝不足で大変です。しかし家族の存在は非常にモチベーションになります。インディカーシリーズは非常に接戦なので、タイトル防衛は意識していません。2年連続でチャンピオンになった人はほとんどいないと思います。なので、自分は昨年と同様かそれ以上のことをして結果を出していくだけだと思います。今は確実に速くおむつを替えることに頑張っています。今年は全レースを8位以上で終えましたが、同じ8位でもいい8位も悪い8位もあったと思います。インディ500ではほぼ最後尾に下がりながらも4位フィニッシュできたり、トロントではウイングが壊れながらも2位フィニッシュできたり幸運もありました。ある意味幸運で魔法のシーズンのようでしたが2024年も同じようになるといいですね」







レイホールレターマンラニガンレーシングからフル参戦するピエトロ・フィッティパルディ。2019年から2021年にかけてデイルコインレーシングから9レースに出走するも、シーズンフル参戦は初めて。

「レイホールファミリーはレースの世界で数々の結果を残してきていて、その一員になれることを光栄に思っています。F1ハースのリザーブドライバーの契約もありますが、今シーズンはインディカーを最優先に集中していくつもりです。F1のリザーブドライバーの他にもJOTAから世界耐久選手権にも参戦してきましたが、インディカーでフル参戦をすることは自分の目標でもありました。インディカーはレース展開も戦略も非常に複雑で誰もにも優勝のチャンスがあります。チームの競争力も拮抗していて、レイホールは昨年は2回のポールポジションと1勝を記録しています。今シーズンはすべてのセッションのレースで全力を出し切りたいです」



1日目午後の部はここまでで、このあとは2日目午前のインタビューへ続きます。

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