インディカーシリーズ、2023年10大ニュース③


シーズン終盤のディクソンの猛追劇







インディカー公式が選ぶ、2023年インディカー・シリーズの10大ニュース。
3つ目は「シーズン終盤のディクソンの猛追劇」。

自動車レースは様々な不確定要素の上に成り立っていますが、インディカーシリーズでは確定的な要素が一つあります。それは”スコット・ディクソンが確実に順位を上げてくること”です。

これまでに6回のシリーズタイトル獲得の実績があるディクソンですが、2023年シーズンは例年通りにスロースタート。開幕13レースで勝利はなかったものの、ラスト4レースで3勝を挙げて、126点差のランキング3位から78点産のランキング2位まで差を詰めています。

これで、ディクソンは19シーズン連続で勝利を挙げ続けていることになりました。

2023シーズンはアレックス・パロウの快進撃で「8月中にはタイトルが決まってしまうのでは?」という声があったものの、シーズン残り4レースとなった8月のインディGPでディクソンは”ディクソンにしかできない勝ち方”で制し、そこからの3勝はシーズン終盤を大いに盛り上げました。

予選でQ1落ちしたディクソンは15番グリッドからのスタート。1周目にチームメイト同士が接触して引き起こしたマルチカーアクシデントに巻き込まれてスピン。これで23位まで後退するも作戦を切り替えて、そこから残り2ストップ作戦敢行。ポールシッターで3ストップから7年ぶりの初優勝を狙うレイホールをコース上で1回も抜くこともなく優勝してキャリア54勝目を記録。このレースでは連続319レース出走となり、カナーンを抜いて連続出場の新記録を樹立しています。







ディクソンマジックはさらに続き、ショートオーバルのゲートウェイでは認可外のエンジン交換があったとして9グリッド降格ペナルティで16番グリッドスタート。2スティント目のソフトタイヤで60周を走行し、ちょうどイエローが出たところで2回目のピットストップ。これで、そこから残り1ストップで行ける状況になり、ディクソンはその貯金を使って燃費走行もしたうえで2位のオワードに20秒以上もの差をつけて誰とも競い合うことなく2連勝。ニューガーデンのオーバル5連勝を止めました。2位に終わったオワードは「今日のディクソンは完ぺきにスコット・ディクソンをやり遂げた」とあきらめ顔。



単独クラッシュでオーバル5連勝を逃したニューガーデン




続く、第16戦のポートランドでは予選5位のパロウの前の予選4位からスタートしながらも3位フィニッシュに終わり、優勝したパロウがその場でタイトルを決定しました。

最終戦のラグナセカではエンジン交換で6グリッド後退の11番グリッドからのスタート。オープニングラップでの混乱で接触があったとしてドライブスルーペナルティを受けながらも、6回のフルコースイエローが出る大荒れのレース展開の中で着実にポジションを戻し、ついには2位に7秒も差をつけて最終戦を制して今季3勝目を記録。混乱の中でも必ず順位を上げてくるディクソンを印象付けました。

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