2024インディカー・シリーズの空きシート状況


デイル・コイン




2023年10月20日現在で、フルシーズンライドの空きは3チームで5台分。インディスター紙のネイザン・ブラウン氏のリポートを考察します。



https://www.indystar.com/story/sports/motor/2023/10/30/indycar-silly-seaso-2024-full-season-indy-500-rides-andretti-foyt-juncos-hollinger-dale-coyne/71346227007/

この10日間で2024インディカー・シリーズの残されたフルシーズンライドの状況が激変しています。10月26日にカラム・アイロットフンコスホリンガーレーシング(JHR)を離脱してフリーエージェントとなったことで、残るレギュラーシートを巡る状況が複雑化してきています。

もし、アイロットがもっと早くフリーエージェントとなっていた場合は、デイビッド・マルーカスのアローマクラ―レン加入や、ルーキーのクリスチャン・ラスムッセンのエドカーペンターレーシング(ECR)加入が影響があった可能性は否めない状況。

アイロットはフル参戦初年の2022年最終戦モントレーで予選フロントローを獲得し、2023シーズンは開幕戦セントピーターズバーグと最終戦モントレーでキャリアベストの5位フィニッシュを記録しています。アイロットは2022年7月にJHRと2年解約を結びながらも、突然のチーム離脱を発表しました。

8月初旬で12人のドライバーのシートがすでに確定。残り16人に関しても、10月までに12人が「確定している状況でしたが、アイロットの離脱で3チーム5台のレギュラーシートが未定の状況。

デイルコインレーシング(DCR)は2023年は#18のデイビッド・マルーカスと#51のスティングレイ・ロブの2台体制も、マルーカスはアローマクラーレンに移籍し、ロブの復帰は未定。これにより、#18と#55が空席状態。アンドレッティを離脱したデブリン・デフランチェスコが接触している模様。2023年開幕前にインディネクストドライバーのダニエル・フロストがテストに参加したもののこちらも情報なし。

AJフォイトレーシングは(AJR)は2023年は#14にサンティーノ・フェルッチと#55にはデンマーク系アメリカ人のベンジャミン・ピーダーセンを起用。ピーダーセンには有力な資金があるとされ、2024年も継続参戦することが有力視されてきました。しかし、AJRが2024シーズンよりチーム・ペンスキーと技術提携することでペンスキーの育成用サテライトチームとなる情報があり、今年のインディ500で予選4位から3位フィニッシュしたフェルッチと共にチーム残留が不透明になってきています。フェルッチはインディ500以外ではロングビーチの11位が最高位でTOP10フィニッシュは他になく、チーム内でもフェルッチの評価は分かれている状況で、#14はロードストリートでドライバーを分けるというプランも浮上している模様。

ロマン・グロジャンの離脱で、すでに3台が決まっているアンドレッティ・グローバルは4台目のフル参戦の可能性をほのめかしていますが、スポンサー問題もあって未確定状況。2023シーズンはデフランチェスコがランキングTOP23台に入ることができずに、シーズン分配金の91万ドル獲得を得られる”リーダーズ・サークルプログラム”の資格を喪失。資金調達をクリアできるドライバーが必要とされています。

JHRはアイロットの離脱で#78のアウグスティン・カナピーノのみが確定して、#77は未確定。この2年間をアンドレッティから参戦し、今はフリーエージェントとなったグロジャンは現在はアンドレッティ・グローバルと契約に関して係争状態。日ごろの暴言などが目立つグロジャンも、今年はポールポジション2回、2位フィニッシュ2回と、優勝争いできるパフォーマンスが十分にあって、さらに、F1での十分なキャリアなどの経験値の高さは依然として評価が高く、今後のチームの成長を望むJHRにとってグロジャンは魅力的な人材。もし、JHRのグロジャン獲得がなくても、バックに資金を持つデフランチェスコやロブが接触を図る可能性。グロジャンの去就に関しては、2024シーズンはIMSAスポーツカー選手権GTPクラスにランボルギーニから参戦する以外に一切情報は無し。

ドライバー視点で見ると、現在のその他のフリーエージェントとして、コナー・デイリージャック・ハービーオリバー・アスキュータチアナ・カルデロンテオ・プルシェールエンツォ・フィッティパルディジェイコブ・エイベルの名が候補に見られます。

インディ500参戦で見ると、すでに3台のフル参戦を決めているレイホールレターマンラニガンレーシング(RLL)が4台目の参戦を計画。ユーリ・ビップスをリザーブドライバーとして4台目のフル参戦をもくろんでいるものの、オーバル経験がないビップスのインディ500参戦の可能性には疑問符。昨年予選を自力通過したキャサリン・レッグの他、佐藤琢磨シモン・パジェノーライアン・ハンターレイ、デイリーの名が候補として見られている状況。

AJフォイトもインディ500では3台目を検討。ドレイヤー&レインボールド(DRR)は2024年も2台体制で参戦することが確実視されている。

去年はDRRと組んでステファン・ウィルソンを走らせたキュージック・モータースポーツ、RCエナーソンを予選通過させたエイベル・モータースポーツ、エド・ジョーンズとつながりがあるマロッティ・オートスポーツ、一昨年に参戦した女性メンバーが主体のパレッタ・オートスポーツなどのインディ500スポット参戦はいずれも不透明。

現時点でフルシーズン参戦はホンダが15台でシボレーが12台。アンドレッティが4台になるとホンダは16台になります。インディ500ではホンダはアンドレッティとRLLで2台追加となり、シボレーがマクラーレンとDRRで3台追加。AJフォイトのインディ500スポット参戦によって、インディ500予選落ちが発生することになります。

【空席シート】
フンコスホリンガーレーシング(1台) #77
AJフォイトレーシング(2台+1台) #14 #55 インディ500にもう1台?
デイルコインレーシング(2台) #18 #51
アンドレッティグローバル(1台?) 4台目?
レイホールレターマンラニガン(1台?) 4台目?インディ500のみ?

4件のコメント

  1. 琢磨さんのフル参戦は絶望的という見立てでしょうか。
    アンドレッティに日系スポンサーを持ち込んで復帰というのは・・・それでも足りないですかね。シーズン23位の壁は琢磨さんなら心配いりません。琢磨さんの時代はチームの財務バランスが今一という情報もあり、来シーズンはDHLも抜けますし、Ruoffが戻ってきてくれればいいのでしょうが。
    デイルは琢磨さんの時代からメカニックが落ちてしまって、黒澤さん時代のレベルに戻ってしまった感があるので、もっと強いチームになって欲しいですね。チーム郷やスーパーアグリがガナッシやアンドレッティとジョイントベンチャーしてくれないですかねー
  2. グロージャンはフンコスに決まったようです。琢磨さん…何とかどこかでお願いしたいですね

コメントを残す