2021年NASCARカップチャンピオンのカイル・ラーソンがインディ500参戦へ向けて第一歩を踏み出しました。
現地10月12日にインディアナポリス・モータースピードウェイ（IMS）で来年5月開催の第108回インディ500出走資格審査するルーキーオリエンテーションプログラム（ROP）が実施され、ラーソンがROPをパスしました。これでラーソンは来年5月26日にインディ500とシャーロット600の2レース合計1100マイルに挑戦します。
1992年カリフォルニア生まれで31歳のカイル・ミヤタ・ラーソンは日系4世。7歳からカートレースを始めてUSACミジェットカーレース、USACスプリントカーレース、USACシルバークラウンとオープンホイールレースで句レースキャリアを進め、1イベントでUSCAの4クラスすべてを制覇する4クラウンを史上2人目として達成。ワールドオブアウトロー・スプリントカーでは史上最年少優勝記録を樹立しています。
インディカーレース参戦を目標としていたラーソンですが、2012年にアーンハート・ガナッシレーシングの育成ドライバーに選考され、NASCAR K&Nプロシリーズの東地区に参戦。シリーズでは2勝を挙げてタイトルを獲得したほかNASCARトラックシリーズやARCAストックカーレースにターナーモータースポーツからスポット参戦。
2013年はNASCARネイションズワイドシリーズ（現Xフィニティシリーズ）にフル参戦したほか、トラックシリーズ、ARCAにスポット参戦し、カップシリーズにも4レース参戦。
2014年にはチップガナッシレーシング（CGR）に抜擢されてNASCARカップにフル参戦を開始。ポールポジション1回を記録。ランキング17位。
2015年はCGRからNASCARカップにフル参戦してランキング18位。
2016年もCGRからNASCARカップにフル参戦してミシガンで初優勝。ランキング9位。
2021年には7年間在籍したCGRから”不適切発言”で解雇され、トップチームのヘンドリックモータースポーツへ加入。その年にNASCARカップチャンピオンになっています。
ラーソンはストックカー以外にもCGR在籍時の2014年から3年連続でデイトナ24時間レースにDPクラスで参戦。2015年はディクソン、カナーン、マクマーリーとの4人体制で総合優勝を果たしています。
来年には32歳になるラーソンは、念願だったインディ500出走への道を歩み出しました。
インディカー初走行を終えたラーソンは「楽しかったです。ある意味、予想通りで、スピードとグリップは思ったほど怖くはありませんでした。ストレートでレースカーが右に行こうとする動きがあそこまで強いとは想像していませんでした。ハンドルの重さはシミュレーターよりだいぶ軽く感じましたが、それでも思ったよりは少し重かったです」とコメント。
今回がラーソンにとってのインディカー初出走ということで、アメリカのレース界を代表する顔ぶれがIMSに集まりました。ヘンドリック・モータースポーツのオーナーであるリック・ヘンドリックの他、ブリックヤード400で5勝している元NASCARチャンピオンのジェフ・ゴードン（現在はヘンドリック・モータースポーツの副会長）がテストを視察。2013年のインディ500ウィナー500で現在はアロー・マクラーレンのスポーツ・ディレクターに就任したトニー・カナーンも帯同し、ラーソンに多くのアドバイスをしていました。
ラーソンの次回のインディカーの走行はIMSで4月に2日間行われる予定の合同テストになります。
これで、ラーソンは来年のメモリアル―デーウイークエンドの5月26日にインディ500とシャーロット600の両レースに参戦して合計1100マイルに挑戦する史上5人目のドライバーになる予定です。
これまでに同日開催のインディ500とシャーロット600のダブルにトライしたドライバーはジョン・アンドレッティ、ロビー・ゴードン、トニー・スチュアート、カート・ブッシュの4人。もっとも最近のトライは2004年NASCARカップチャンピオンのカート・ブッシュがトライした2014年。最も成績の良かったのは2001年のスチュアートで、インディ500では6位、シャーロットでは3位でした。
IMSでは金曜日には2024シーズンから使用されるハイブリッドパワーユニットのインディカーのテストが予定され、パロウ、パワー、ハータ、ロッシの4人が木曜日にドライブし、エリクソン、マルーカス、パロウ、パワーが金曜日にテストを実施します。
10月13日（金）
09:00ー12:00 ハイブリッドカーテスト
13:00ー17:00 ハイブリッドカーテスト