インディカーの燃料



【E85-R燃料】 インディカーで使用される燃料はガソリンではなく、スノコ製のE85-Rレーシング燃料で、バイオエタノール85%+無鉛ガソリン15%で構成されています。

バイオエタノールはブラジル産サトウキビを主原料としてアイオワ産トウモロコシも使用されます。

オクタン価はリサーチ・オクタン価(RON)=104、モーター・オクタン価(MON)=94、アンチノック・インデックス(AKI)=99となっています。

【なぜE85なのか?】 現在のE85-R燃料が使われるようになった最大理由は街中のガソリンスタンドで市販されているからです。アメリカ国内で売られている多くの自動車がこのE85燃料に対応しています。

【インディカーでアルコール系燃料が使われ始めた理由】 よく誤解されますが、「水で消せるから」「爆発力が弱いから」は正しくはありません。正しくは「ガソリンよりもオクタン価が高くて圧縮比を高くできる」からです。

1928年からすでにメタノールが燃料として使われていましたが、当時の目的は同じ排気量であれば圧縮比を高くしてガソリン燃料よりも馬力が得られるので予選に限って使用されていました。しかし、同じ量のメタノールとガソリンでは、メタノールは燃費でガソリンの約半分になってしまうので決勝ではガソリンが使用されていました。

その後しばらくはメタノールとガソリン、軽油が使用されましたが、1964年のインディ500での大火災事故を受けて、メタノール燃料だけになりました。

【燃料の変遷】 1965年~ メタノール
2006年~ エタノール90%+メタノール10%
2007年~ エタノール100%(燃料規格E100で実際には2%のガソリンを混合)
2012年~ エタノール85%+ガソリン15%(燃料規格E85-R)

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