インディカーの技術が生かされた新型宇宙船












12月5日に初のテスト飛行で地球周回軌道を2周したのちに太平洋に着水したアメリカの新型有人宇宙船”オリオン”にはインディカーの技術が生かされています。



オリオンはNASAが開発する次世代宇宙船で、すでに退役したスペースシャトル以来の有人宇宙船となります。将来的には小惑星や火星へ向けての有人飛行計画に使用できるように設計されています。形は月への有人宇宙飛行計画で使われた「アポロ」に似ていますが、3人乗りだったアポロに対して最大4人乗りでサイズは二回りほど大きく、長期間のフライトに対応するように設計されています。



今回の初打ち上げは無人飛行で行われ、打ち上げから軌道投入、大気圏再突入での操縦システムや高度コントロール、耐熱シールドなどのテストが行われました。有人飛行に関しては2018年以降に行われる予定です。



オリオンの乗員モジュールはロッキード・マーティンによって製造され、乗員にかかる重力を低減するための技術データをインディカーはNASAに提供しています。



インディカーでは2003年よりレースカーにデルファイ製の「アクシデントデータレコーダー2」を搭載し、レースカーに数多く設置されたGセンサーやドライバーのイヤフォン内に埋め込まれたGセンサーからレースカーやドライバーにかかる様々な重力データを集めてきていました。そのデータがオリオンのコクピット設計に役立てられるということです。



その他にもインディカーのデータはアメリカ空軍にも提供され、飛行機のシートや乗員のヘルメット、シートベルトの開発に使われています。



これまでは、「NACAダクト」や”NASAが開発した新技術”などハイテクを謳うものがモータースポーツの世界に導入された例がありましたが、今回はインディカーで培われたものがNASAの技術に生かされる形になっています。



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