IMSが90億ドルをかけて博物館をリニューアル






インディアナポリス・モータースピードウェイ(IMS)内にあるIMS博物館が約40年ぶりにリニューアルされることになりました。今年の11月から改修作業が行われ、2025年4月にリニューアルオープンする予定です。

IMS博物館は1956年にオープン。当初はターン1の外側の道路を挟んだ反対側にありましたが、1975年にインフィールドに現在の建物が完成して移転しています。内部には歴代の優勝車両の他、各時代を代表するレースカー、ヘルメットやスーツ、計時機械、優勝トロフィーなど、インディ500に関連する様々なものが展示されてきました。

新たな展示館のテーマは「The Stories Behind the Spectacle(スペクタクルの舞台裏)」。今回の施設改修に当たって、建物は現存の物を活用したままで展示内容を大幅にリニューアルし、年齢、国籍を問わずにインディ500そのものや歴史についていろいろ体験をしながら学べるものになるとしています。

展示の他には、STEAM(科学、技術、工学、芸術、数学)教育の場も設定され、充実した教育資源とプログラムが提供されることになっています。このプログラムは慈善活動団体であるリリー財団からの2,000万ドルの助成金で運営されることになっています。

リリー財団はインディアナポリスを拠点として全世界で展開している研究開発型製薬会社のイーライ・リリーが母体となっています。
https://www.lilly.co.jp/extending-our-impact/lilly-foundation

IMSはこの助成金を基に、K-12(義務教育)関係機関や高等教育機関と協力してSTEAMカリキュラムを開発し、インディアナポリスエリアにある芸術・文化機関などと協力して、博物館のプログラムを強化し、新たな来場者層に届ける取り組みを行うとしています。

新たなプログラムは、以下の展示物で来館者が”参加型展示”や”体験型展示”を楽しめるとしています。

■7つの常設展示エリアと3つの特別展示エリア
■様々な舞台裏やレースシミュレーションを体験することでインディ500を実体験
■実際の機材などを使用して実際のピットワークを体験

博物館は改修工事に伴って、まずは2023年10月に地下の展示エリアが閉鎖され、11月には一般公開を全面的に停止します。そして、第109回のインディ500の開催前となる、2025年4月に全面リニューアルオープンする予定です。博物館の閉鎖中も、これまで通りのトラムバスによるコースツアーを通常営業にて実施継続します。

IMS博物館は、100年以上にわたるインディアナポリス・モータースピードウェイとインディアナポリス500の歴史と栄光の記録を保管、展示することで後世に伝えてきました。1956年の開館時にはわずか12台の車両展示から始まり、現在では55,000以上のアイテムと200台以上のレースカーを所蔵し、毎年、世界中から15万人以上の来場者が訪れています。

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