夢の実現に向かって進むエイベル・モータースポーツ






先週の土曜日にインディアナポリスモータースピードウェイのロードコースで開催されたインディGP。27台がガレージからピットへと移動してレースがスタートされようとする中で、ガレージの1か所ではレースカーを整備する工具の金属音などが響き渡っていました。

そのガレージの入り口にある表札にはチーム名のサインボードはなく、ガレージの中では数人のメカニックたちが工具を手にレースカーを取り囲んでいました。そこはエイベル・モータースポーツのガレージでした。

チームマネージャーのジョン・ブルナーは、インディネクストにフル参戦するチーム活動の忙しい中で、この大きな挑戦に全力を傾倒しています。

「インディ500への参戦準備とインディネクストの参戦活動を同時に行うことは非常に有意義でした。幸いにも、インディ500参戦のためのチームメンバーは非常に経験豊富で、参戦準備は非常に大変でしたがここまでやってきました。確かに仕事量としては倍以上になった感じですが、インディネクストのレースは先週でひと段落ついたので大丈夫です。今は仕事の軸足はインディ500に移っています」と彼はコメントしています。

過去のインディ500では、インディ500のみスポット参戦するチームがエントリーがセッション開始前日の月曜日から準備を始めることが通常でした。しかし、今回はエンジンサプライヤーであるシボレーの推奨により、早めにガレージインして準備を進めることになりました。

シボレーの協力のもと、インディカーの承認を得てエイベル・モータースポーツは先週の木曜日にIMSに入りし、インディ500へ向けての活動をスタートさせています。

ドライバーのRCエナーソンはルール上、プラクティスセッションへの参加前にルーキーオリエンテーションプログラム(ROP)の通過が義務づけられていて、万が一レースカーにメカニカルトラブルなどが発生して走行プログラムに支障が発生することは絶対に避けなければならないことでした。

「とにかく予期せぬトラブルは避けたいところです。火曜日にメカニカルトラブルが発生すると、2時間のROPをクリアするのに支障が出ます。 何か問題が発生して2時間の間にROPを終了できない場合は、その午後のセッションと翌日の午前中もプラクティス走行ができないことになってしまいます。その影響は取り返しがつきません。」とブルナーは懸念しています。

エイベル・モータースポーツのメカニックたちは、これまでのインディ500で豊富な経験を持つベテランで構成されており、AJフォイト・レーシングやデイル・コイン・レーシングなどで活躍してきました。ブルナーも2020年にAJフォイト・レーシングで一部のメンバーと共に働いた経験があります。



ブルナーはチームのかなめとなるリードエンジニアにベテランのマイク・コリバーを起用しました。また、2021年のエナーソンの「500」予選落ちの際にリードエンジニアをつとめていたエリック・ピーターソンは、コリバーのサポートを担当し、2年前のリベンジを狙います。しかし、ストラテジストはまだ決まっていません。

「とにかくレースカーが予定通りに動いてくれることを祈っています。まずは(ROP)を通過することが第一段階です。この数か月間、このプロジェクトのために準備に取り組んできましたが、木曜日の夜にガレージ内でレースカーのエンジンが始動したときのチームメンバーたちの顔を見て感動しました。彼らの血と汗がこの車に染みこんでいます。今は早く、このレースカーがブリックヤードを走る所を見てみたいです。」





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