今週末のナッシュビルで新素材のエコタイヤを導入






今週末にナッシュビル市街地コースで開催されるミュージックシティGPでファイアストンは新素材を配合したエコタイヤを実践デビューさせ、サスティナビリティに貢献します。



このエコタイヤはすでに5月の第106回インディ500のカーブデーに行われたピットストップチャレンジでお披露目され、使用されましたが、実戦で使われるのは今回が初めてになります。



新たなファイアストン・ファイアホークタイヤはその材料の天然ゴムの原料にゴムの木ではなく、米国南西部からメキシコ北部の乾燥地帯に生えているグアユール(英語発音で WHY-U-LEE=ワイユーリー) と言う常緑低木から産出した天然ゴムを使用します。このグアユールからとれる天然ゴムを使用したタイヤはこれまでのゴムの木による天然ゴムの製造よりも栽培収穫における生産性が高く、ファイアストンタイヤの親会社であるブリヂストンタイヤは2012年から、このグアユールから抽出される新素材の研究を開始し、2015年には試作品を完成させています。https://www.bridgestone.co.jp/technology_innovation/natural_rubber/guayule/



レースでは、この新スペックのエコタイヤはオルタネートタイヤ(ソフトタイヤ)として使用され、サイドウォールはグリーン(上写真)となります。



製造を担当したブリヂストンタイヤのエンジニアの話では、この新しい原料から製造された新素材は、これまでも天然ゴム成分が使用されてきたタイヤのサイドウォール部分に使用され、従来のレース用タイヤと同等の品質と機能を維持するとしています。



ブリヂストンタイヤは2023シーズンはこの新素材を使用したタイヤの仕様を拡大するとし、同時に様々なタイプのタイヤのテストを行って使用機会を拡大したいとしています。



この新素材を使用したタイヤはまだ市販化されてはいませんが、今後は食物競合が起こらない状況の下で既存の農地利用による原料成分を抽出するためのグアユール栽培を進めるとしています。そして、数年間のグアユール栽培法の調査研究ののちに量産化を進めて市場を拡大する計画になっています。



これまでにブリヂストンは、グアユールを原料としたエコタイヤを市販化するために1億ドル以上もの研究開発費を投じ、2015年にグアユール由来のゴムから作られた最初のタイヤを試作。天然ゴムと新素材の配分の研究などの分子配合プログラムなどを継続的に行ってきました。



ブリヂストンは2030年までにこの新素材タイヤの市販化を行い、サスティナビリティに貢献し、天然ゴムだけに頼らない複数の素材を使用することでの生産性の拡大と、原料栽培における地元雇用と経済の活性化とたいとしています。

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