第108回インディ500はニューガーデンが2連勝、佐藤琢磨はペナルティもあって上位進出を逃す








【第108回インディアナポリス500リザルト】http://www.imscdn.com/INDYCAR/Documents/6309/2024-05-26/indycar-race-results.pdf

【ニューガーデンが連覇】
昨年のインディ500で優勝したチームペンスキーのジョセフ・ニューガーデンが今年の第108回インディアナポリス500も制して2連覇。2年連続優勝は22年ぶり史上6人目(ウィル・ショウ=1940、マウリ・ローズ=1948、ビル・ブコビッチ=1954、アル・アンサーSr.=1971、エリオ・カストロべス=2002)。予選3位のニューガーデンはレース前半はTOP5をキープ。86周目の5回目のイエローで全車がピットストップ。2位でピットインしたニューガーデンはクラッチトラブルで出遅れたマクロクリンの前でピットアウトすることに成功。ステイアウトしていた前3台がピットインすると100周目に最初のラップリード。4回目のピットストップはトップ勢では一番最初となる130周目で、そこからだとアンダーグリーンでは2ストップが必要になる状況。しかし、147周目にチームメイトのウィル・パワーが単独クラッシュして8周のコーションラップが入り、結果的にこれがニューガーデンの燃費を楽にすることに。ラストピットは燃料フルリッチで勝負ができる171周目。ラストスティントはロッシとオワードのマクラ―レン2台を相手にしてのガチバトル。ファイナルラップに入るところでオワードに前に出られて2位に後退するも、ターン3でオワードをアウトサイドパスしてリーダーへ復帰。ターン3でアンダーが出たオワードを0.3417秒突き放しての2連勝。チームペンスキーとしてはインディ500通算20勝目。

【史上最高の賞金額】
今回の賞金総額は1845万6000ドル(昨年+143万4500ドル)で史上最高額。優勝したニューガーデンの優勝賞金額は428万8000ドル(昨年+62万2000ドル)で、こちらも史上最高額。さらに2連勝したニューガーデンにはボルグワーナー社がスペシャルボースの44万ドルを贈呈。

【2回目の2位に終わったオワード】
2022年に2位だったパト・オワードは、去年は39周の最多ラップリードを記録してラスト10周でエリクソンとトップ争いを演じるも、ラスト7周でターン3でクラッシュ。今年のラスト10周ではロッシ、ニューガーデンとオワードの3人で6回のリードチェンジがある中でファイナルラップでニューガーデンをとらえてリードするも、ターン3でアウトサイドからニューガーデンに抜かれた上にその時にウイングに当たるクリーンエアを遮られて大アンダーステアに。何とかウォールヒットは免れるも0.3417秒差で2位フィニッシュ。予選8位だったオワードはレース序盤は集団に埋もれ、レース折り返しの100周目では12番手。転機が訪れたのは107周目のハンターレイのスピンによるコーション。前14台がステイアウトした中でオワードは15位でピットイン。この結果、トータルピット数は1回多くなるものの、同じ作戦を取ったディクソンと同様に上位進出のきっかけとなって、次のピットストップはトップ勢よりも6周遅らせてオーバーカットに成功。ここでマクロクリンの前の7位でコースに復帰。147周目にパワーのクラッシュでコーションとなり、前が一斉にピットに入ってディクソンに続く2位でリスタート、ここからはトップ集団のままで最後のニューガーデンとロッシとの三つ巴のバトルへ。2位フィニッシュのオワードの獲得賞金額は105万500ドル。



オーバーカットに成功して138周目にマクロクリンの前でコースイン








【佐藤琢磨選手はペナルティもあって14位】
予選10位からスタートし、28周目の4回目のコーションまでは10位~12位あたりを走行。33周目のリスタートでビーケイとパロウに抜かれて14位へ。その翌周には4ポジションダウンの18位へ。その後は15位まで戻し、5回目のコーションで58周目に2回目のピットストップ。16位でリスタートして6回目のコーションで88周目に3回目のピットストップ。この92周目のリスタートの時にグリーンになる前に隊列を外れてディクソンの前に出たとして、113周目のリスタート前にリードラップ最後尾の25位へさがるペナルティディクソンと同じ6ストップに作戦を切り替えて、一時は3位を走行するも141周目の5回目のピットストップでわずかに遅れ、同じタイミングで入ったディクソンが3位で復帰するも、琢磨は13位まで後退。ラストピットは早めの170周目に入るも、その後はコーションがなくタイヤを消耗させてしまい、2周後にラストピットをしたルンガーに前に出られて14位フィニッシュ。



92周目のリスタートでリスタート手順違反があってペナルティに




ピットシークエンス(ピット作戦)を変えてディクソン同様に6ストップにするも、このピットアウトでディクソンとの間に7台に入り込まれる。




【佐藤琢磨選手のコメント】
ラストピットはアンダーカットを狙っていきましたが、結果的にフルスティントでタイヤが厳しくなってしまいました。レース中盤では集団の中で順位を上げられましたが、夕方になってからはドラッグが増えてしまい苦しかったです。作戦を変えて同じ作戦だったディクソンが目の前にいたのですが、ピットアウトのブレンドで10台くらいに割り込まれたのが痛かったですし、リスタートの時のペナルティも痛かったです。あれが無ければもっと前にいけましたね。なので、結果的にはディクソンに近い位置でフィニッシュできたはずです。でも、ベストはつくしました。レースカーは最後にまとまってきましたが、最後は夜8時で気温も路面温度も下がったので、ドラッグが大きくなりすぎていました。でも、75号車のクルーはみんな全力で戦ってくれましたし、今回参戦するチャンスを与えてくれたことに感謝しています。







【ルーキー最上位はラスムッセン】
エドカーペンターレーシングから参戦するデンマーク人のクリスチャン・ラスムッセンは予選24位から12位フィニッシュでルーキー最上位。

【The Biggest Moverはデイリー】
予選29位から10位フィニッシュしたコナー・デイリーが19ポジション上げてThe Biggest Mover。デイリーは11回のインディ500出場で4回目のTOP10フィニッシュ。

【ルーキーオブザイヤーはカイル・ラーソン】
選考委員の選出で決まるルーキーオブザイヤーはアローマクラーレンのカイル・ラーソンに。日系4世のカイル・ミヤタ・ラーソンは予選ではFAST6に進出し、ルーキー最上位の6番グリッドを獲得。NASCARカップシリーズでポイントリーダーのラーソンは、同日開催のシャーロットでのコカコーラ600とダブル参戦する予定も、インディ500が雨でスタートがディレーしたために、そのままではコカ・コーラ600のスタートに間に合わない状況に。今回のラーソンのダブル参戦を全面的にバックアップするゼネラルモータースとヘンドリックモータースポーツ、アローマクラ―レンの判断でラーソンはインディ500のフィニッシュ後にシャーロットに移動し、バックアップドライバーでスタートさせたのちにラーソンにドライバー交代をするという選択を決断。ラーソンはレース序盤はTOP10位内を走行し続けるも、この日初めてのアンダーグリーンでのピットストップとなる134周目のピットストップで痛恨のピットレーン速度違反。131周目にドライブスルーペナルティを受けて、1周遅れの22位まで後退。その後はラップバックするも18位フィニッシュ。ラーソンはフィニッシュ後ただちにヘリと飛行機を乗り継いでシャーロットへ向かうも、シャーロットも降雨でレースは打ち切りに。ラーソンはシャーロットでは1周もできなかったばかりか、レースカーに乗り込むことも出来ずに、雨に始まり雨に終わった”ダブル”は叶わず。ラーソンはルーキーオブザイヤーの5万ドルのボーナスと合わせて17万8000ドルの賞金を獲得。マクラ―レンとは2年契約を結んでいるラーソンは「来年もまた必ず挑戦する」とコメント。







【ロッシは燃料が足らず優勝を逃す】
予選4位でレース後半のほとんどの時間帯でTOP3を走行したアローマクラ―レンのアレクサンダーロッシはラストピットが169周目という若干早めのタイミングだったため、ラスト数周で燃料がわずかに足りなくなってしまい、ファイナルラップはやむを得ずペースを落として4位フィニッシュ。これでロッシは3年連続のTOP5フィニッシュ。

【そのほかの話題】
■ニューガーデンの直近15レースのうち、11レースがオーバルでの勝利。現在オーバルで7連勝中。
■ニューガーデンのインディ500での2勝目は史上11人目。2020年佐藤琢磨以来。
■コース上でのパスは延べ649回
■インディ500で3番手スタートが優勝したのは今回で14回目。2020年佐藤琢磨以来。
■インディ500ではシボレーエンジン13勝目。オフェンハウザー(27勝)、ホンダ(15勝)につづく史上3番目。
■カーナンバー2の優勝はインディ500では11回目。カーナンバー3と並んで史上最多タイ。
■33歳でのインディ500優勝は史上4人目。2014年のライアン・ハンターレイ以来。
■最終ラップでのリードチェンジは史上4回目。過去3回は2006年ホーニッシュJr.、2011年ウェルドン、20023年エリクソン。
■ラップリーダー16人は史上最多。これまでは2018年の15人が最多。
■リードチェンジの48回は、史上4番目。史上最多は2013年の68回。
■エリクソンは2016年のモントーヤ以来、史上2人目の元ウィナーによる最下位フィニッシュ。
■チームペンスキーは1971年のアル・アンサーSr.以来、2回目のインディ500連覇。
■レースファステストはクリスチャン・ルンガーが175周目に記録した226.373mph。
■最多ラップリードはポールシッターのマクロクリンの64周。

【次回は第6戦デトロイトGP】
6月1日(日)深夜1時から生中継。
https://www.gaora.co.jp/motor/3878680

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