ハイブリッドパワーユニットが7月のミッドオハイオでデビュー






当初は2024シーズン開幕戦から使用される予定だったハイブリッドパワーユニットシステムが7月7日決勝レースの「ミッドオハイオ・ホンダインディ200byシビックハイブリッド」から導入されることが決定しました。

ハイブリッドPUはインディカー、シボレー、ホンダの協力の下で共同開発され、2.2リッターV6ツインターボエンジンにモーター・ジェネレーター・ユニット(MGU)と、20個のウルトラキャパシターを搭載するエネルギーストアシステム(ESS)で構成され、エンジンとギアボックスの間にあるベルハウジング内に装着されます。







黄色=エンジン、水色=ベルハウジング、オレンジ色=ギアボックス




ハイブリッドシステムは減速中にMGUが発生する電気をESSに蓄え、加速時にはドライバーの操作に応じてMGUがESSに蓄えられた電力を使用してパワーを発生させます。

レース中は、ブレーキやスロットル位置による自動でのエネルギー回生と、ステアリングホイールのパドルやボタンを使用した手動でのエネルギー回生オを選ぶことができます。蓄えられた電力の再使用は、現在のプッシュ・トゥ・パスシステム(P2P)と同様に、ステアリング上のボタンで手動でのみ使用可能になります。

従来のP2Pと併用できる一方で、この2つのシステムには異なるルールが適用されます。P2Pは、1回での最大使用時間っとレース中での全使用時間に制限があります。ハイブリッドパワーユニットのルールは、レーストラックの長さに基づいて1周あたりの使用可能エネルギー量が設定されます。ロードコースや市街地コースではP2Pと併用することで120馬力が追加され、20年ぶり800馬力以上のパワーとなります。ハイブリッドユニットの開発次第では、今後はさらなる馬力の増加も見込まれています。

安全対策としてハイブリッドPUのモーター駆動には48Vの低電圧システムが使用され、ドライバーがスピンしてコース上でエンジンが停止してもコクピット内でドライバーがエンジンを再始動できる機能があります。これにより、AMRセーフティチームの出動回数を減らし、レースのスムーズな進行に大きく寄与することになります。

これまでに実車テストは2023年8月16日にセブリング・インターナショナル・レースウェイで初めてテスト走行が行われ、その後はホームステッドマイアミ(ロードコース)、インディアナポリス、IMSロード、ミルウォーキー、ロードアメリカ、セブリング、ゲートウェイで28人のドライバーによって合計23,518マイルのテスト走行がトラブルなく実施されています。

今後は6月11日にミルウォーキーマイルで全車参加のテストが予定されています。

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