インディカーのハイブリッドPUの各パーツと働き






【ハイブリッドパワーユニット】
ハイブリッドパワーユニット(PU)とは内燃機関と電動発動機の2種類の動力源が組み合わされたパワーユニットを意味します。

【ICE=Internal Combustion Engine(内燃機関)】
アルコールやガソリンなどの燃料を燃焼させ、ピストンの往復運動から回転運動を発生させる装置。いわゆる”エンジン”。インディカーでは2012年より2.2リッターV6ツインターボエンジンが使用され、ハイブリッドPUでも引き続き同じものが使用されます。



ホンダのV6ツインターボエンジン




【ERS=Energy Recovery System(エネルギー回生システム)】
エナジーストアーシステム。レースカーの運動エネルギーを電気エネルギーに変換して蓄え、その電力を再び運動エネルギーに変換する装置。ESS(蓄電池)と MGU(モーター発電機)で構成されます。ERSはエンジンとギアボックスの間にあるベルハウジングの中に搭載されます。ベルハウジングはシングルターボユニットの搭載スペースとして使用されていましたが、2014年からツインターボに統一されて以降は単なる空間となっていました。今回のハイブリッドPU変更に関してベルハウジングの寸法に変更はなく車体の長さはこれまでと変わりません。



ベルハウジング(展示用カットモデル)に収まるERS




黄色=エンジン、水色=ベルハウジング、橙色=ギアボックス




ベルハウジング内に搭載されていたホンダのシングルターボユニット




【MGU=Motor Generator Unit(モーター発電機)】
モータージェネレーターユニット。シボレーとイルモアの共同開発。減速時には発電機として機能し、加速時には電動モーターとして機能します。ICEとギアボックスの間に直結されて、MGUの回転数はICEの回転数と同期します。減速時に後輪の回転力がギアボックスを介してMGUを発電機として回して電力を発電。電力はESSに充電されます。加速時にはESSの電力を使ってMGUを電動モーターとして回転させ、ICEからの出力に電動モーターが発生するトルク(43.66N・m)=約60馬力を追加します。



ベルハウジング(展示用カットモデル)内の下部に搭載されるMGU




【ESS=Energy Store System(蓄電池)】
エナジーストアーシステム。HRCが開発。スケルトン社製のスーパーキャパシター20個と、ライトループ製のDC-DCコンバーター(変圧器)で構成されます。キャパシターは同じ蓄電装置のバッテリーに比べて、より大きな電流をより短い時間で充電放電できるという特徴があります。キャパシターの定格は、電圧=60V、電流=2kA、電力=320kJ(1周最大)充電/起動時間=4~5秒となっています。MGUのモーターは安全性を重視して12Vの低電圧で発電するので、DC-DCコンバーターによって12Vから60Vに変圧されます。



ESSとスーパーキャパシター(手前)




ESS内に搭載される20個のスーパーキャパシタ

コメントを残す