走れ! 西へ東へ

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20日に行われたセンバツ高校野球1回戦の敦賀気比(福井)-広陵(広島)戦での球審の振る舞いが賞賛されているそうです。広陵の選手のバントについて誤審があった(打球がフェアゾーンに落ちてので敦賀の選手が処理して広陵のバッターにタッチしてアウトとしたはずなのに、2塁塁審がファウルと判定したためバッターアウトを認めなかった)として、球審がマイクを持って「申し訳ありませんでした」とお詫びし、守備側の敦賀気比の選手・監督に改めて状況を説明したので(バッターアウトになったものの1塁ランナーの2塁進塁が認められるので1アウト2塁で再開させることを説明したよう)。

大相撲のように高校野球やプロ野球でもややこしい状況になった時に球審か責任審判がマイクを持って場内に説明することがあります。たいていの場合、あのややこしい状況でどうして審判がそう判定したのか、そして何アウト何塁で試合を再開させるかを説明するだけですが、今回は「私たちの間違いでした。…大変申し訳ありませんでした」と謝罪も付け加えたのです。それがネット上で称賛されバズったそうなんです。審判というのは誤審があっても簡単に謝罪しないイメージがあるのかもしれません。だからバズったのでしょう。
そういえば、大相撲の判定説明も昔よりわかりやすきなった気がします。対戦した2人が同時に倒れたり行司の判定が間違っていたりする場合、土俵下にいる5人の勝負審判が物言いをつけて審議をしてその結果を審判長が「ただ今の協議についてご説明します」とマイクを持って切り出します。昔だったら「同体ではないか物言いがつきましたが、協議の結果、軍配刺し違いで力士Bの勝ちとします」という感じで原因の説明がほとんどありませんでした。最近は「力士Aの足が先に出たのではないかと物言いがつきましたが協議の結果、力士Aの足は出ていませんでしたので軍配通り力士Aの勝ちとします」という具合に分かりやすくなりました。国技館に大型ビジョンがないし、大阪のエディオンアリーナや名古屋のドルフィンズアリーナでは大型ビジョンがあっても稼働していません。だからこそのわかりやすさが必要と思うのは私だけではないでしょう。では、また次回です。
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マラソン界がまたも活況を呈しているようです。再来年夏のパリオリンピックの男女マラソン代表を決めるために行う第2回マラソングランドチャンピオンシップ(MGC)の出場権を巡るレースが13日まで各地で行われましたが、どの大会でも出場要件を満たした選手が何人も現れました。

東京オリンピックの代表を決める2019年のMGCではタイムと順位の要件を両方満たした人か2つのレースの平均タイムが要件を満たした人が出場できていましたが、今回はかなり高いレベルではあるものの要件にしたタイムをクリアできれば何人でも参加できるようになりました。そういうこともあって6日の東京マラソンでは男子だけで10人も出場要件をクリアしました。春までのMGCはここで一区切りとなりますが、秋以降にまた争いが激しくなるでしょう。

それに引き換え競泳は…。一度来年に延期と言われた世界選手権が6月に場所をハンガリーに移して行うことが発表されたため(福岡大会は来年開催予定)2日から5日まで代表選考会が行われましたが、個人種目の代表は18人にとどまりました。100分の数秒で代表権を逃した選手が何人もいたそう。福岡の世界水泳が来年に延期されたなら今年の大きな目標は秋に行われるアジア大会になるところで、3か月前に世界水泳をやっぱりやるということになると調整スケジュールがめちゃくちゃになってしまいます。それで世界水泳の選考会ということになると調子を整えられない選手が続出したのではと、その筋に詳しいユーチューバーは指摘していました。MGCのように指定の大会で選考会に出場するために必要なタイムか順位をクリアできれば選考会では記録がグダグダでも2位までになればOKとレギュレーションなら選手たちの気の持ちようは違っていたのかなと思うのは私だけでしょうか?

では、また次回です。
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4日から始まった北京パラリンピック。序盤にアルペンスキーで3日連続で日本勢がメダル獲得ということで盛り上がっていることは盛り上がっている気がしますが、前回の平昌大会や去年夏の東京大会と比べると何となく盛り上がりに欠ける気がするんです。
前回の平昌大会は序盤のアルペンの後もコンスタントにメダルを獲得するような展開だったのに対して、今回(10日時点)は7日にクロスカントリーで川除大輝選手が日本男子最年少となる金メダルを獲得して以降メダルなし。しりすぼみ感があります。アイスホッケーや車いすカーリングのように前回は活躍できても今回は出場すらかなわない種目があるからかもしれませんが、出場できている種目でも苦戦を強いられている印象が多少はあります。オリンピック種目同様、強化が一筋縄にはいかない、ましてやコロナ禍でその難しさは増幅しているのかもしれません。

もう一つ気になるのがNHKの放送体制。前回の平昌とほぼ同じようですが、昨年の東京と比べるとパワーダウンした感が否めない。前回の平昌冬季大会もパラではラジオ中継をしていませんでしたが、昨年の東京大会はオリンピックほどではないにしても生中継を朝から夜まで流れていました。そう考えると、総合テレビとEテレの生中継が午後だけで夜のダイジェスト番組はオリンピックの半分の時間、そしてラジオ中継はなしという今回はボリュームが減ってしまったような印象があります。それがまた盛り上がりに欠ける感じに影響を与えるのかもしれません。

選手が一生懸命やっているのに変わりありません。限られた時間の中で楽しく、盛り上げてみるのもいいでしょう。では、また次回です。
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驚きました。誤解を恐れずに言うなら、「手のひら返しなの?」と言いたくなるくらいです。1日にスピードスケートの名門の呼び名が高かった日本電産サンキョーが3月31日をもってスピードスケート部を解散することを表明したのです。

70年近くの歴史を誇り、清水宏保さん、高木菜那選手とオリンピックの金メダリストを送り出していた超名門。高木選手が金メダルを獲得した時には恐らく所属企業では最も高額であろう報奨金を贈ったことも話題になりました。そこまで盛り上げていた企業がどうして廃部を決断してしまったのか…。今回の北京五輪代表で唯一の高校生だった堀川桃香選手は入部内定していたのに高校の卒業式が終わった直後に廃部を知ったとか(その後関係者が各所を回って進路を探した結果、富士急に入社することに)。なんともいえません。

2日付のスポーツ報知によると、2014年のソチ五輪後にナショナルチームでの長期的な強化を日本スケート連盟が着手したのが分水嶺になったようです。実業団チームからナショナルチームに招集されると10か月近くの合宿があるので、実業団チームのレベルアップは昔ほど簡単にはいかなくなったという見方もあります。それに、実業団チームに所属する日本代表選手は最近は少数派になっていて、特定のスポンサーと所属契約を結ぶプロのような人の方が多くなっているようです。そういう世の中の流れを感じたか、日本電産サンキョーは「企業がスピードスケート競技の発展に貢献するという当初の目的についての展望が持てないと判断した」として廃部を決断したとか。

世の中の流れ、経済的な問題、いろいろな壁があるかもしれません。浅はかな考えかもしれませんが、競泳のようにナショナルチームとクラブ、学校が両輪となって強化していくシステムが構築できていれば実業団チームが肩身の狭い思いをすることがなかったのではと思います。自分のことのようにチームを盛り上げていった社長に無念の決断をさせてしまったのは本当に残念です。ですが、この出来事が全身のきっかけになることを祈ります。では、また次回です。
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