ダラーラシャシーを2023シーズンに向けて更新






インディカーは安全性や機構性の向上を目的にダラーラ製車体の一部のパーツを更新しました。



【ダンパーカバー・ターニングベーン】ウインドスクリーンの前のダンパーカバーに左右に一対で装着し、ウインドスクリーンへの水滴の付着を軽減します。装着は降雨が予想されるなかでインディカーが指示を出した時のみに許されます。従来のダンパーカバーに6か所ドリルで穴あけし、ビス留めします。不使用時はヘリテープで穴をふさぎます。







【新型リアアッテネーター】全レースでの使用が義務化されます。ギアボックス後部に突き出るリアアッテネーター(衝撃吸収バンパー)が新たなパーツに変更されます。全長が約10cm延ばされて、断面形状が長方形からひょうたん型となります。これまで直線的だった形状を曲線的に変更し、カーボンコンポジット素材の編み方などに変化を持たせることで、様々な角度で衝突した際や低速でのストリートコースでの衝撃吸収能力を高めています。







【大型LEDライト】全レースでの使用が義務化されます。リアアッテネーターの後端に取り付けられるLEDの赤色ライトが大型化されます。面積比で従来よりも60%大型化され、雨天の点灯時の視認性を高めています。またコーション中には点滅します。上の写真は大型LEDライトの装着枠の中に従来のサイズのLEDライトが装着されています。







【強化型リアホイールテザー】全レースでの使用が義務化されます。クラッシュ時のリアホイールの飛散を防ぐためにアップライトとギアボックスをつなぐテザーが強化されます。ザイロン製繊維が60%増加して編み込み数が増え、強度が上がっています。使用期限は2年間(2024シーズンいっぱいまで)に限定されます。車体に24本使用されるテザーのうち後輪に各3本ずつ(計6本)使用されます。







【新型ヘッドレスト】全レースでの使用が義務化されます。両サイドの高さと素材を変更し、ドライバーの頭の保護性能を高めています。2020シーズンよりエアロスクリーンが導入されたために、ヘッドレストの大型化は空力に影響を及ぼさなくなっています。







【オーバル用新型フロントトーリンク】今シーズンのオーバルイベントで使用が義務化されます。ステアリングホイールの動きを前輪に伝えるトーリンク(ステアリングアーム)のホイールハブ側の細い部分の長さが倍になり、アクシデント時にここを先に破断させることにより、ステアリングホイールの急激な回転を防いでドライバーの手を保護します。







【アンダーウイングインナーバージボード】オーバルレースのみ任意使用が許可されます。昨年導入されたアンダーウイングバージボードの内側に追加する形で装着し、ダウンフォースを増加させます。







【アンダーウイングフラップウィッカー】インディ500のみの使用で、従来のアンダーウイングフラップの後端に高さ1インチのウィッカーの追加装着が許可されます。







【スーパースピードウェイウイング用新型ピラー】スーパースピードウェイ用のリアウイングステーで、これを使用することにより、リアウイングメインプレーンの角度が+9度から-1.5度までアジャストできるようになります。







【スーパースピードウェイスタビリティウィッカー】インディ500のみ使用を義務付け。ノーズからタイヤランプにかけて左右それぞれ14のパーツで構成されます。




コメントを残す