フンコスホリンガーレーシングがレースカーをお披露目






フンコスホリンガーレーシングからインディカーシリーズにデビューするオーガスティン・カナピーノ(英語発音)。アメリカに居を移して1週間がたち、ガールフレンドのジョセフィーナと共に人生初めての雪を体験しました。



カナピーノのインディカーに関する経験値は物静かなインディアナポリスモータースピードウェイの見学と、TV観戦のみ。アルゼンチンツーリングカーチャンピオンでありながらもオープンホイールのレースカーでフルシーズン参戦した経験もありません。



しかし、カナピーノの母国であるアルゼンチンの熱狂的なモータースポーツファンたちは母国のトップドライバーに大いに期待を寄せています。 1 人が競い合うのを見るのが待ちきれません。アルゼンチン出身でフンコスホリンガーレーシング(FHR)チームオーナーであるリカルド・フンコスもその中の一人で、カナピーノへの期待は高まるばかり。



「アルゼンチンの熱狂的なファンはすごいですね。自分は冷静ですが、SNSとかでは少々過熱しすぎかもしれませんね。今年がデビューシーズンで、インディカーは簡単なレースではないということも伝える必要があります。FHRは素晴らしいチームですが、まだまだ成長中のチームで、2台体制でフルシーズンを戦うのも今年が初めてです。特にオーバルは自分にとって大きな挑戦で、学ばなければならないことがたくさんありますし、冷静に一歩ずつ前に進む必要があると思います。」とカナピーノは慎重な姿勢を見せています。



カナピーノは2年目となるカラム・アイロットをチームメイトとして、JHRのカーナンバー78をドライブすることになりますが、アイロットはカナピーノのことをほとんど知らないまま、カリフォルニア州パームスプリングス近くのサーマル クラブで行われるオープン テストに向かいます。



33歳になるカナピーノのインディカー参戦は多くの点で前例がありません。カナピーノの父親であるアルベルトは、ヨーロッパのフォーミュラ3でメカニックを務めていました。それ以前はアルゼンチン国内で様々なカテゴリーでメカニックとしての活躍を見せ、アルゼンチン国内では一定の評価を受けていました。



その後、アルベルトはアルゼンチンのツーリングカーチームのオーナーになりましたが、息子のオーガスティンが15歳になって初めてレースシミュレーターを運転するのを見て、オーガスティンのモータ スポーツへの適応性の高さを初めて知ります。



その後はオーガスティンはレースの世界で当確を表し、最終的にはアルゼンチン最高峰カテゴリーまでステップアップしました。カナピーノ親子はツーリスモ・カレテラを含むさまざまな部門で15 の全国選手権を制覇したましたが、その中にオープンヒールレースは含まれていませんでした。



オーガスティン・カナピーノは、カート、フォーミュラ・フォード、他、インディカーシリーズへのステップアップカテゴリーいずれのジュニアフォーミュラシリーズにも参戦したことがありません。



大きなチャンスを呈したオーガスティン・カナピーノでしたが、残念ながら父も祖父もCOVID-19に関連する合併症で亡くなり、息子の晴れ姿を目にする機会はありませんでした。



カナピーノは、アメリカにおいては2019年のデイトナ24時間レースにフンコスレーシングから参戦してキャデラックのプロトタイプレースカーをドライブ。さらに次のレースであるセブリング12時間レースもフンコスレーシングから出走し、JHRチームオーナーのリカルド・フンコスはカナピーノの能力をその目で見たうえで高評価を与えています。



カナピーノとフンコスは昨年の10月にアルゼンチンのテルマス・デ・リオ・オンド・サーキットで 開催されたインディカーのデモンストレーションランを実施。このイベントの成功がカナピーノのレース人生を大きく変えることになりました。



「あのイベントは最高にすごかったです。 インディカーの走行はアメリカから遠くはなれたアルゼンチンにいるレースファンにとっては衝撃的でした。人にとっては驚くべきことでした。 デモンストレーション自体はたった1台の車、1人のドライバー、そして1日に2回だけの走行というものでしたが、そのために7万人もの観客が集まりました。もし、そのイベントがレースだったとしたら、もっとすごいことになると思います」とカナピーノは母国アルゼンチンでのインディカーへの熱狂を伝えています。



「今は与えられたこの機会に集中しています。もし、インディ500に出走したらアルゼンチンはどうなるか?多分もっとすごいことになるでしょうね」



カナピーノはすでにセブリングでのインディカーテストに1日参加していますが、ライバル勢の中でインディカーをドライブするのは、この2月2日と3日に行わわれるオープンテストが初めてとなります。そして、TV中継ではなく初めて自分の目でライバルドライバーを目にすることになります。

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