インディ500での3勝目を狙う佐藤琢磨の進化が止まらない






インディカーシリーズ参戦14年目を迎えた佐藤琢磨選手。ベテランインディカードライバーである琢磨選手が狙うのはシリーズチャンピオンか、インディ500での3勝目か…。選択したのは世界最大のレースでの3勝目を狙える十分な体制でした。



トップチームであるチップガナッシレーシング(CGR)のシートはフルシーズン参戦ではありませんでしたが、インディ500での優勝を狙うのに最強の環境を手に入れたことには間違いありません。



スコット・ディクソン、アレックス・パロウ、マーカス・エリクソンというシリーズチャンピオンやインディ500チャンピオン経験者をチームメイトとする名門チームの一員に名を連ねることは、これまでになく整った参戦環境となります。



CGRでシリーズチャンピオンタイトルを獲得しているディクソンとパロウは、昨年のインディ500では共に先頭を走り、200周のうちトータル142周をリード。最終的にレースを制したエリクソンが13周をリードしたことで、CGRのドライバー勢によるラップリードは500マイル全体の77.5%と席巻しました。 今年はさらに、このインディ500で2勝をあげている琢磨選手がラインナップに加わります。



惜しむらくは、新人のマーカス・アームストロングがロードストリートレースに参戦することで、琢磨選手の走りがみられるのはシリーズ中で5つのオーバルレースのみになることですが、CGRのこの体制でインディ500に臨めることは、5レースのみ参戦だとしてもこれ以上に臨める環境は他にないと琢磨選手は言います。



「これまで13年間インディカーシリーズにフル参戦してきたので、 フルシーズンで参戦できないということに関しては最初は受け入れ難いものもありました。しかし、今となってはモチベーションは相当に高まっています。最高の環境でのレースが待ちきれません」と目標に集中しています。



CGRへの加入は琢磨選手にとって、通算6チーム目となります。2010年にKVレーシングテクノロジーからインディカーシリーズにデビュー。2012年にはレイホールレターマンラニガンレーシング(RLL)から参戦して、インディ500最終ラップのトップ争いでスピン。2013年からはAJフォイトレーシングに4年在籍して、その初年度にはキャリア初優勝をあげています。2017年はアンドレッティオートスポーツに移籍してインディ500初優勝。2018年からはRLLに復帰して4シーズン在籍し、2020年のインディ500での2勝目を含む4勝を記録。2022年はデイルコインレーシングw/RWRで13シーズン目を過ごしました。



今回の琢磨選手のCGR加入に関しては本人も想定外だった展開がありました。 当初は昨年在籍したデイルコインレーシングw/RWRでの2年目を模索すべくスポンサー体制の構築に取り組んだものの、思いのほか苦戦。しかし、CGRマネージングディレクターのマイク・ハルがオーバルのみの参戦と言う条件を受け入れれば、一緒に仕事をする環境を整えたいと提案。お互いの条件と目的がそこに一致することになりました。



「相思相愛でした。この状況を非常に光栄に思います」と琢磨選手はマイク・ハルの大きな期待を受けての加入に満足しています。



しかし過去を振り返ると、2012年のインディ500で琢磨選手はCGRの2名のドライバーと最後まで死闘を演じただけではなく、2020年はインディ500での2勝目を狙うディクソンを完璧に封じてインディ500での2勝目をCGRとディクソンからもぎ取りました。



「歴史のいたずらと言うか、ライバルとしてバチバチの戦いをしてきたドライバーとチームの一員に自分がなるわけですから妙な感じもしましたが、今ではダリオやディクソンとチームメイトとして一緒に仕事をできることをすごく楽しみにしています、シリーズチャンピオンタイトルとインディ500優勝を共に経験している二人と一緒に仕事をすることで、インデイ500での優勝に集中できる環境が得られます。チームもインディ500での優勝に重きを置いています。これ以上の環境はありません」と琢磨選手は今回の展開に関しての心境を語っています。



チームメイトのみならず琢磨選手とタッグを組むエンジニアは、2013年にトニー・カナーンがKVレーシングテクノロジーからインディ500に参戦して優勝を経験しているエリック・カウディンで、チーム内でもトップクラスのエンジニアリング体制でレースに挑むことになります。



「まさか自分がチップガナッシからインディ500に参戦するなんて想像したこともありませんでしたが、自分にとってはこれまでで最もエキサイティングな状況になっています」



佐藤琢磨選手の進化が止まらない。

4件のコメント

  1. 今年インディ500優勝などオーバルでいい結果を残して来季ロード,ストリートにも出て欲しい。
  2. 私が当初捕まされたガセネタではデイルコインからオーバル参戦、残りはIMSAでした。今のところIMSAやルマン等の他レースでの活動はなさそうでしょうか?

稲D へ返信する コメントをキャンセル