さらに高い安全性を追求するダラーラシャシー






インディカーシリーズで使用される現行シャシーのダラーラIR12(DW12)は導入後に様々なモディファイを受けながら、2023年で12年目を迎え、エアロパーツは2018年から導入され6年目を迎えます。



これまでの大規模なモディファイとして、モノコックに2019年4月にドライバー保護デバイスの、AFP(アドバンスド・フロンタル・プロテクション)を導入。従来のIR12モノコックに補強用台座を施工(施工はエアロダイン社指定)したうえでチタニウム製のAFPがボルトオンされました。







その後は2020年からはインディカーとレッドブル・アドバンスドテクノロジー(RBAT)が共同開発した現行のエアロスクリーンが導入されました。取り付けにはAFPの台座を流用しますが、モノコックのはそのままの状況でロールフープにはボルトオンする形で従来のIR12にエアロスクリーンを装着できます。ロールフープには十分の強度が最初から備わっていました。







その他の安全性向上対策としては衝撃吸収ステアリングコラムの導入や、フロントウイングエンドプレートの補強やテザーの装着などの細かな対策が施されていました。







そして2023年には3か所で安全性が向上されます。まずはリアからの衝撃を吸収するリアアッテネーター(リアバンパー)が新スペックになります。



2023アッテネーター




従来型アッテネーター




新しいアッテネーターは断面形状を変更するとともに本体の分割数を増やして、ストリートコースなどでの低速での衝撃吸収能力も高めています。ギアボックス後端への取り付け部品も強度が高められます。そして、本体後端に取り付けられるレインライトが大型化され視認性が高められています。



スピードウェイスタビリティ・ウィッカー




インディ500ではスピードウェイスタビリティウィッカーが導入されます。フロントノーズからタイヤランプへかけて14のパーツで構成され、従来のエアロパーツにボルトオンで装着されます。これは従来のセンターラインウィッカーを補強する目的で装着された思われます。前回のインディ500カーブデーではハータが単独クラッシュで横転しています。



オーバル用トーリンク




オーバルイベント用に新たなトーリンクが導入されます。トーリンクはハンドルの回転を前輪に伝える部品で、黄色い部分の強度を落とすことでクラッシュした時のドライバーの手を保護する目的があります。ロードストリートでの使用は規制されませんが、軽い接触でも足回りのジオメトリーが変化してしまう可能性が高くなるので、使用することは推奨されません。

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