最終戦モントレーGPはパロウが圧勝し、パワーがタイトル獲得






【パワーが2回目のタイトル獲得】41歳でオーストラリア出身のウィル・パワー(チーム・ペンスキー)が堅実な走りで3位フィニッシュし、2022年ドライバーズタイトルを獲得。2014年以来2回目のシリーズチャンピオンとなりました。パワーはキャリア68回目の史上最多ポールポジションを獲得。3位以上で無条件でタイトル獲得と言う状況でスタート。オープニングラップをリードしてラップリードボーナスの1点を獲得して4位以上で無条件タイトルと言う状況に。ハードタイヤに交換した2ndスティントでソフトタイヤのアレックス・パロウにかわされるも、チャンピオン争いと無関係なパロウが最多ラップリードを獲得したために、さらにパワーのハードルは下がって5位以上で無条件でタイトル獲得へ。4ストップしながらもタイヤがフレッシュなニューガーデンに前に出られて3位へ下がるも、後続にはマージンを持ったままでフィニッシュし、アスターカップを手にしています。



【今シーズンのパワーの成績】1勝(デトロイト)、9回のTOP3フィニッシュ、12回のTOP5フィニッシュ、ポールポジション5回、フロントロースタート7回、全17戦2,173周中2,173周全てコンプリート。全ラップコンプリートは他ディクソンのみ。



【パロウは今季初優勝】昨年のシリーズチャンピオンのアレックス・パロウが95周中67周をリードし、独走状態で今季初優勝。キャリア4勝目となりました。3ストップ作戦のパロウはハードタイヤスタートから早めのピットインでアンダーカットに成功。その後のソフトタイヤで大幅に順位を上げて24周目にはパワーの背後の2位まで上がると、ユーズドのハードタイヤでペースが上がらないパワーを27周目にパスしてラップリーダーへ。途中、ピットシークエンスが違うニューガーデンが一時レースをリードするものの、4スティント全てでニュータイヤを使用したパロウは最終的には2位のニューガーデンに30秒もの大差をつけてフィニッシュしています。







【最終戦モントレーGPリザルト】http://www.imscdn.com/INDYCAR/Documents/5905/2022-09-11/indycar-officialraceresults.pdf







【ニューガーデンは2位フィニッシュもタイトルに届かず】20点差のポイント2位でパワーを追っていたニューガーデンは予選ラウンド1でスピンして赤旗中断を引き起こしたとして最後列の25番グリッドスタート。新品ソフトタイヤ2セットを駆使した4ストップ作戦を敢行し、タイミングの良いフルコースイエローでステイアウトしたこともあって、レース折り返しには5位へ浮上。手持ちのニュータイヤを活かしてパワーの前の2位へアップ。しかし、その時点で6秒前のパロウを追いかけるも、温存していたフレッシュタイヤ4セットを駆使してラップタイムが落ちないパロウは残り1ストップで走りぬけてしまい、その後2ストップしたニューガーデンはパロウに30秒以上の差とつけられて2位フィニッシュで終わっています。



【マジック不発のディクソン】ポイント2位タイのスコット・ディクソンは予選13位から4ストップ作戦を選択。ハード、ソフトともにフレッシュタイヤを5セット投入するもペースは上がらないうえに、ラストピットでは大きくロス。リードラップ最後尾の12位フィニッシュに終わっています。



【ルンガーがルーキーアワード】予選16位から5位フィニッシュしたクリスチャン・ルンガーがルーキーオブザイヤーを獲得。予選6位からスタートしたデイビッド・マルーカスは4ストップ作戦で行くもユーズドタイヤで苦戦。3ストップで4セット全てニュータイヤで走ったルンガーの作戦勝ち。



【8年ぶりのタイトル獲得】パワーの2014年以来8年ぶり2回目のタイトル獲得は史上3番目に長い再タイトル獲得。最長はマリオ・アンドレッティの15年で、アル・アンサーが13年、AJフォイトが8年。



【ペンスキーで複数タイトル】パワーはペンスキーで2回以上タイトルを獲得した6人目のドライバーに。3回のリック・メアーズ、2回のトム・スニーバ、アル・アンサー、ジル・ドフェラン、ジョセフ・ニューガーデンに続く。



【パッシング延べ回数】最終戦はコース上のパッシングの延べ回数は361回。そのうち順位変動は286回。そのうちTOP5での回数は26回。



【佐藤琢磨は23位フィニッシュ】予選22位からソフトタイヤスタートでの3ストップ作戦を選択。レース序盤で5ポジションアップするも、以降はユーズドハードタイヤ3セットでのペースが上がらない上に、リスタートでケレットと接触した影響で急激にハンドルが撮られて親指を負傷。そのまま何とか完走を目指して23位フィニッシュ。



【佐藤琢磨選手のコメント】「ナッシュビルで接触アクシデントがあった時に親指の付け根の骨にひびが入ってしまい、今日のリスタート後にケレットとサイドバイサイドになって接触した時にハンドルを取られて完全に骨折しました。痛みがひどくて泣いてましたけど、その後は痛みがマヒしてきたので何とかドライブしました。スタート後はポジションをあげましたけど、3ストップで行った結果、バランスが悪すぎました。ハードタイヤに替えてからの2スティントは全くコントロールできませんでした。レースカーも破損していたらしくて、レース中に細かくアジャストを試みましたが、完走するのが精一杯でした。今シーズンはデトロイトでフロントロースタートがあったり、ゲートウェイでもコミュニケーションミスが無ければ優勝争いができていましたし、インディ500も含めてスピードがあることはお見せできたと思います。うまくいかないことも多くて悔しい思いもしましたが、ここまで全力でやってきました。結果に残らなかったのは残念ですがチームクルーやデイル・コイン、リック・ウェアも全力でサポートしてくれましたし、ファンの皆さんがすごく応援してくれたので感謝しています。本当にありがとうございました。」




2件のコメント

  1. 最終戦はパッシング360回!?これぞINDY。中野さんが「あそこは2台で入るコーナーじゃないと」しきりに仰ってました。F1でもよく仰ってるのですが、F1は引いてしまうけどINDYはゴツゴツ当てながらそんなコーナーも3ワイドで入るのが醍醐味です!来年のスケジュールはまだですか?来年もラグナセカ見たいし、オーバル増やして欲しいですね。
    GAORAの皆さま!今シーズンもたのしい番組をありがとうございました!
    1. いっくんへ
      中野さんはラグナセカを実際に走ったことがあるので、経験者ならではの視点での解説でしたね。
      来シーズンも楽しみですね!

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