ナッシュビルはディクソンが23位からの優勝!






【ディクソンが今季2勝目でポイント2位へ】予選では2レース連続のQ1落ちで予選14位。レース早々に何台かがピットインしたこともあって9位へアップ。20周過ぎに追突されてアンダーウイングのデフューザーを大きく破損して緊急ピットイン。大きく失ったリアのダウンフォースとのバランスを取るためにフロントウイングを大きく寝かせてピットアウトして23位まで後退。その直後に3台がクラッシュして20位へ。先のピットストップがフルコースイエローでピットクローズの後の作業だったためにドライブスルーペナルティを科せられてリードラップ最後尾の20位まで後退。その後のイエローでは修復などの為に3回もピットインを繰り返してリードラップ最高位の18位を走行。デイリー、ハービー、ジョンソンがピットインして15位へ。フューエルウインドウギリギリとなる残り30周の所で真っ先にピットイン。イエローが出なければ超燃費走行が強いられる状況でしたが、ピットアウトした2周後にレイホールとビーケイがクラッシュしてフルコースイエローに。1ストップを残したニューガーデンだけがステイアウトしたほか全車ピットインして2位へ浮上。ニューガーデンがラストストップしてリーダーに立つと背後から迫るマクロクリンを0.1067で押さえて今季2勝目。通算53勝となって歴代通算優勝数でマリオ・アンドレッティを抜いて単独2位となりました。ポイントリーダーのウィル・パワーが11位に終わったために、ディクソンは6点差のランキング2位に浮上しています。



ディクソンのラストピットの妙】ロードストリートではラストピットをフューエルウインドウに入ってすぐに設定するのが常とう手段となっています。これはレース終盤に発生しがちなフルコースイエローでのピットインで、ステイアウト組にポジションを奪われることを嫌っての作戦です。しかし、イエローが出ない場合も想定して、最後の何周をアンダーグリーンで走れるかを設定しなければなりません。このナッシュビルストリートコースでは燃費走行せずに走りきれる周回数は26周ですが、ディクソンのストラテジストのマイク・ハルは残り30周の所でディクソンをピットインさせるという強気の作戦に出てきました。結果的にディクソンがピットアウトした2周後にフルコースイエローとなり、順位が大幅にアップしたほかに燃費走行も免れる結果になりました。



【ナッシュビル・ミュージックシティGPリザルト】http://www.imscdn.com/INDYCAR/Documents/5917/2022-08-07/indycar-officialraceresults.pdf







【レースは荒天で遅れてスタート】雷雨の影響で1時間44分遅れでのスタートに。路面はドライの状況でのスタートとなったために、ソフトとハードの2種類のタイヤの使用は義務付けに。



【ロードストリートでは今季最少僅差でのフィニッシュ】 0.1067秒差での勝利は今シーズンのロードストリートレースでは最少僅差。ロードストリートでは史上4番目。2位のマクロクリンはポールポジションからのスタートからレース序盤の22周をリードするも、フルコースイエロ中のラストピットで11秒もかかって15位まで後退。そのあとにリスタート毎にポジションアップするとともに5台がクラッシュしていなくなり、2位まで復帰。最終ラップにはディクソンのテールまで追い付きましたが、並びかかろうとした所で80周を迎えて2位フィニッシュ。



【ポイントTOP5が46点差から33点差に】ポイントリーダーのパワーが11位フィニッシュ。2位だったエリクソンが14位に終わってTOP5の点差が一気に縮まりました。1レースの最大獲得ポイントは54点。最下位でも5点獲得できるので、その差は最大で49点になります。



【アンドレッティは4台全車アクシデントながらも明暗】レース序盤でアクシデントがあったアレクサンダー・ロッシとコルトン・ハータはラップダウンに落ちながらも追い上げて、それぞれ4位、5位フィニッシュ。フロントロースタートだったグロジャンはクラッシュして16位フィニッシュ。予選24位のデフランチェスコは佐藤琢磨選手に接触してクラッシュし、22位に終わっています。



【11台がDNF】去年の9台を上回って11台がDNFでワースト記録を更新。



【ルーキーの二人が最上位ポジションをかけた戦い】昨年のインディライツチャンピオンのカイル・カークウッドとインディライツランキング2位だったデイビッド・マルーカスが激しいバトルを展開。共に今季最上位リザルトポジションである7位争いを展開中にターン9でマルーカスのインサイドに強引にねじ込んできたカークウッドが激しくヒットして2台はクラッシュ。カークウッドは19位DNFに、マルーカスは20位DNFに終わっています。



【高温下に見舞われたナッシュビル】土曜日と気温が33度を超えて、多くのドライバーが暑さを口にし、レイホールは「これまでに経験がない暑さだ」とコメントするほどの状況になるも、日曜日は降雨の影響もあって最高気温は28度まで下がり、インディカーは日曜日になってエアロスクリーントップのエアスクープの設置義務付けを解除。しかし、多数ドライバーはクールスーツを使用。



【佐藤琢磨は今季4回目のDNF】佐藤琢磨は20番グリッドからのスタートで1回目のルーティンピットワークが終わって15位でレース中盤へ。34周目にターン10て前で強引にインサイドに飛び込んできたデブリン・デフランチェスコが琢磨のインサイドに接触。両者ともにアウトサイドウォールに激突してレースはDNF21位となっています。



【佐藤琢磨選手のコメント】「今日のレースはとても残念な形で終わりました。僕たちは15番手までポジションを上げ、さらにトップ10を目指していましたが、期待どおりにはなりませんでした。ターン10でデフランチェスコのラインがアウトに膨らんだため、いつもであれば2ワイドで通過できる場所で接触し、ウォールに衝突しました。彼は『僕が彼に向けてステアリングを切り込んだ』と説明していますが、そんなことはしていません。彼に対しては、確実に僕が見えるようにしていましたし、実際、彼は僕を見ていました。彼は『誰かに追突された』とも説明していますが、オンボード映像を見たところ、実際はそうではありませんでした。チームとしては、デイビッド(マルーカス)が素晴らしい走りを見せてくれましたが、彼も不運に見舞われました。思いどおりにならない1日でしたが、僕たちはこの勢いを保ち、数週間後に行なわれるセントルイスでは力強くレースを戦いたいと思っています」



パレッタオートスポーツが最終戦にも参戦】今回のナッシュビルまでの3レースまでの参戦としていたパレッタオートスポーツとシモーナ・デシルベストロですが、ラグナセカレースウェイで開催される最終戦への参加が急遽発表されました。



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