今週末開催のインディカーシリーズ第3戦は伝統のストリートレース、第47回ロングビーチ・グランプリです。
【伝統のストリートレース】ロングビーチGPは北米で最も長い歴史を持つ市街地レースイベントで、第1回開催は1975年。モナコ・グランプリにヒントを得た英国出身の旅行エージェントだったクリス・プークは、南カリフォルニアでのレース開催の将来性を見越してロングビーチを開催の地に選択。1975年の初開催ではF5000をメインイベントとして開催。翌年はF1世界選手権として開催され、その後はCART、インディカー、IMSAスポーツカー選手権、フォーミュラEなどが開催されてきました。
【イベントタイトルスポンサー】1980年には、当時は会場ほど近くのトーランスに北米拠点を置いていたトヨタがイベントスポンサーとなり、2018年までイベントをサポートし続け、米国内では最も長期間のスポーツイベントスポンサーともなりました。2019年からは拠点をテキサス州に移したトヨタに変わって、同じくトーランスに北米の拠点を持つホンダが展開する北米ブランドのアキュラがイベントタイトルスポンサーを務めています。その他にも35社もの協賛スポンサーがサポートしています。https://gplb.com/sponsor-partners/
【イベントの3つのテーマ】ロングビーチGPはレースだけではない総合イベントとして、①世界レベルのレース、②家族で楽しめるイベント、③総合博覧会の3つのテーマを掲げています。
【世界トップレベルのレース】過去46回の開催でF1、インディカー、インディライツ、フォーミュラ・アトランティック、IMSAスポーツカー、デイトナプロト、ALMSスポーツカー、スタジアムスーパートラック、フォーミュラE、ドリフトなど、様々なレースカーが走行していますが、メインレースとして開催されたのは以下の4つです。
- F5000（1975）
- F1世界選手権（1976-1983）
- CARTチャンプカー（1984－2007）
- インディカーシリーズ（2008-）
今年はインディカーシリーズの他、IMSAスポーツカー選手権、スーパードリフトチャレンジ、スタジアムスーパートラック、ポルシェ・カレラカップ、ヒストリックIMSA GTPチャレンジが行われます。
【家族で楽しめるイベント】レースコースのインフィールドの大型屋内展示場ではライフスタイルエキスポを開催。その一角にはファミリーゾーンが設けられ、ロッククライミング、ゲーム、ビデオゲーム、レーシングシミュレーターなどの様々な体験コーナーのほか、3歳以上であればゴーカートの運転を体験することができます。そして、何台ものフードトラックが並んだ巨大な屋台村があって、イベント協賛スポンサーのキングタコスの他、様々な飲食物が楽しめるようになっています。https://gplb.com/entertainment/
【総合博覧会】ライフタイムエキスポという総合博覧会を実施。自動車、生活、レクリエーション、旅行、エンターテインメントの最新製品に関する150以上ものブースが出展されます。グリーンパワー・プリックスビューコーナーではロングビーチGPでの環境負荷、省エネ、再生エネルギーなどをテーマとした展示が行われ、展示場屋上でのソーラーパネルでは1日あたり725kw以上（周辺の建物との比較で平均約25%もの節電）の発電状況、レースカーの廃油処理、会場内に設けられたプラスティックなどのリサイクル素材の再利用などが紹介されています。そして、メトロ電車などの公共交通機関で会場入りする人たちは専用の優先入場口が利用できるようになっています。https://gplb.com/lifestyle-expo/
【地域の小中学生向けの学習プログラムを実施】ロングビーチGP実行委員会はSTEM（科学、技術、工学、数学）教育の一環として会場付近の中高校生150人を招待し、大会の運営管理などを通じてビジネスコンセプト、科学、エンジニアリング、レースカーのメンテナンスと管理、保守などを見学、体験できる機会を設けています。そして、学生生徒たちが経済状況を含む様々な面を考慮して進路設計の参考になるような知識を持ってもらうことを目的としています。https://gplb.com/banc-of-california-to-bring-lbusd-stem-students-to-grand-prix/
このように、ロングビーチGPは自動車レースというだけの立ち位置ではなく、文化的な総合イベントとして様々な企業からのサポートを受けて毎年開催されています。
4月10日日曜日深夜4時 生中継！