佐藤琢磨選手とデロイト トーマツがテクニカルパートナーシップ契約を締結






佐藤琢磨選手はデロイト トーマツ グループのデロイト トーマツ コンサルティング合同会社と2022 年シーズンのテクニカルパートナーシップ契約を締結。その記者発表会がオンライン形式で行われました。



デロイトトーマツグループは、日本で最大級のビジネスプロフェッショナルグループのひとつで、企業向けに監査・保証業務、リスクアドバイザリー、コンサルティング、ファイナンシャルアドバイザリー、税務、法務などを行う企業です。国内約30都市以上に1万5千人を超える専門家を擁し、多国籍企業や主要な日本企業をクライアントとしています。



デロイトトーマツグループの具体的な活動としては、レースデータ、車両・エンジンデータ、ドライバーのフィジカルデータに係る各種走行データをデジタルテクノロジーを活用して統合的に分析し、マシンセッティング、マシン開発などの側面でサポート。データ分析の結果をさらに高度化・深化することでコネクテッドサービスや自動運転技術などモビリティサービスへの応用、あるいは新たな観戦体験への応用を目指す予定だということです。



今回の契約に関して佐藤琢磨選手は以下のようにコメントしています。



「多岐にわたる分野で成果を上げているデロイトトーマスと仕事が一緒にできるというのは非常に大きなことだと思います。自分たちチームのパフォーマンスアップだけではなく後進の育成や社会還元につなげていく可能性に大きな期待をしています。チームオーナーのデイル・コインも今シーズンにかける意気込みが高いので、今回の技術提携に関して非常に大きな期待を寄せていまし、チーム全体にとっても非常に有益なことだと思います。」



「51号車の体制は決まっていますが、開幕戦前の実車走行が2月15日の1日だけになりそうなので、今はその準備を進めています。担当エンジニアは前からデイルコインレーシングにいるドン・ブリッカーで、経験豊富なエンジニアなので新しい体制が非常に楽しみです。開幕までは非常に時間が短いのでデロイトトーマスのスタッフの皆さんとも全力で準備を進めているので、そういう部分では楽しみですし、自分としては1戦でも早くその成果を出したいと思います。」



以下はプレスリリースより抜粋。



■一流アスリートに代表される熟練者の脳データの研究開発を推進し、社会課題解決や次世代アスリートのタレントマネジメントの更なる高度化・深化を目指す予定。
■他のスポーツで研究開発・実証に取り組む、観戦体験の向上プログラムや VR などデジタルを活用した観戦体験の向上などのモータースポーツへの展開などを検討するほか、スポーツを軸にした地域活性化などへの応用を検討。
■デロイト トーマツ グループがグループ CEO のもと取り組む「Climate Sustainability イニシアチブ」とも連携し、グリーンでありながらも、食料とトレードオフの関係にもあるバイオ燃料を如何に無駄なく効率的に活用するか、また EV 化なども含めた可能性の検討も含めて、モータースポーツという極限の世界における知見をモビリティ全般のカーボンニュートラルに活用するための取り組みも進める。
■今回のスポンサードをはじめ、競技参加や観戦体験を通じた個々人の心身の充実、地域社会の振興・活性化といったスポーツによる価値を高めることで、自らのAspiration Goalに掲げるWell-being社会の実現に貢献。



以上、レースの現場でのサポートにとどまらない壮大なプランとなっているようです。



今後はパンデミックの状況を見極めながら、現場に5人前後のスタッフを日本から派遣し全戦に帯同させる予定とのことで、第10戦のインディ・トロントではデロイトトーマスグループのスペシャルリバリーで参戦することになっています。



かつてはアビームコンサルティングとの技術提携で琢磨選手は初めてシーズンで複数勝利を挙げるなど、走行データの解析と分析結果の還元は結果に大きく結びつくことを証明しています。今回のテクニカルパートナーシップにも大いに期待したいところです。

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