フンコスレーシングが体制を強化してインディカーシリーズにフル参戦






アルゼンチン人オーナーのリカルド・フンコス率いるフンコスレーシングがインディカー参戦復帰を発表しました。



チームリリースによれば、ペンシルバニア出身で総合医療施設のVibra Healthcare LLCの創始者であり、かつてウイリアムズF1チームに資本参加していたブラッド・ホリンガー氏と共同体制でフンコス・ホリンガー・レーシングを立ち上げて、今シーズンの終盤3レースに参戦。2022シーズンにはインディカーにフル参戦することを発表しています。



合わせて今後もステップアップカテゴリーであるRoad to INDYの各クラスに複数台を参戦するとしています。







このホリンガー(上写真右)との提携によりチームはインディアナポリスモータースピードウェイ近くに最新設備を投入したチームショップの設営にも取り掛かることになっています。



ホリンガーはかつてウイリアムズ・グランプリF1チームで筆頭株主に次ぐポジションで複数年において出資に参加。同チームを離れた後はインディカーシリーズへの参戦機会をうかがっている所でした。



ホリンガーがリカルド・フンコスと出会ったのは2017年のインディ500。それ以来、関係を継続して、共通するモータースポーツへの熱意をお互いに確認して今回のフンコス・ホリンガー・レーシ共同設営に至ったとのこと。



「フンコスレーシングへの参加は非常にエキサイティングです。リカルドに出会って以来、彼の成功へ向けての絶え間ない努力とオープンホイールレースへの見識、エンジニアリングへの専門知識の豊富さを目の当たりにしてきました。勝利への執念とトップチームへ成長させようという強い意欲は自分の目指してきたことに共鳴するもので、今回のチーム参加の決意につながりました」とホリンガーはコメント。



「自分はこれまでは全世界的に人気があるフォーミュラ1の世界にいましたが、アメリカ国内でのF1人気は非常に限定的でした。F1での限定的な人気比べてアメリカでのインディカーの人気は拡大し続けています。なので、自分は技術的な可能性を持ち合わせた意欲的なチームをインディカーで探していました」



「資金を準備して高水準の機材をそろえることで、フンコスレーシングはインディカーシリーズの中で高い競争力を発揮できるでしょう。アメリカ発祥のインディカーシリーズは今後はさらなるファンの獲得と共に成長拡大するポテンシャルを持っています。レースはいつも大接戦でエキサイティングで観戦者たちに素晴らしい体験をもたらすと共に、参加する企業の国際的な知名度とイメージの向上に大きく貢献しています。さらにはTV業界も最高レベルでの中継に力を注いでいます。」とインディカーシリーズ参戦の価値をホリンガー氏は述べています。



フンコスレーシングがインディカーシリーズに参戦を開始したのは2017年。その年のインディ500ではサベードラとピゴットの2台をエントリーさせ、グリッド後方からそれぞれ15位、18位フィニッシュさせた他、2018年はスポット参戦。2019年のインディ500予選ではクラッシュによるバックアップカーへのスイッチを余儀なくされたものの、マクラーレンから参戦するフェルナンド・アロンソをバンプアウトして33番グリッドを獲得。最も弱小のチームがモータースポーツ界の巨人を打破したと大いに話題になりました。







また、フンコスレーシングは過去10年間にわたってインディカーへのステップアップカテゴリーであるRoad to INDYの各シリーズに参戦。そのインディライツシリーズでは2人のシリーズチャンピオンを輩出した他、インディプロシリーズでは5人のチャンピオンを生み出すと共に、5回のチームタイトルを獲得しています。







チームオーナーのリカルド・フンコスは、1990年代初めに現金400ドルを片手にアルゼンチンから渡米。カートレーシングのメカニックとして働いていましたが、その高い技術力が評価されて様々なレーシングチームを渡り歩き、1997年には自らチームを設立。「自分にチャンスを与えてくれたこの国で、今度は若手ドライバーへチャンスを与えたい」としてこれまでもステップアップカテゴリーを中心に若手ドライバーを育て続けてきました。




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