第105回インディアナポリス500 リビュー






【ロジャー・ペンスキーのスタートコマンド】「第105回インディアナポリス500にご来場のファンの皆様に手厚い支援を感謝いたします。そして、昨年の国難から国を守ってきててくださった軍隊の方々、感染症対策の最前線で働く方々、保険当局の方々、皆様のおかげでこの偉大なレースが開催できることになりました。Dreivers Start Your Engines」







【カストロネベスが4勝目】2009年以来12年ぶりの優勝。エリオは生きの良かったデイリー、ビーケイ、オワード等のシボレー勢に対してパロウ、レイホールらと共に常にオーバーカットしてラスト2ステントでは2位までアップ。レイホールのクラッシュでデイリーと2台が脱落。ビーケイはラストピットでトラフィックに捕まって後退。オワードも前2台に近づけるバランスではなくパジェノーを抑えるので精いっぱい。結局はラスト2周でパロウをとらえたエリオが逃げ切りに成功。エリオはトラフィックに捕まる手前の絶妙なタイミングで前に出てパロウを抑えきりました。しかもエリオは集団のトーイングを利用して速度を維持してパロウの追撃を許しませんでした。当然チームもエリオもそのタイミングを狙っていたと思われます。「まだ新しくて小さなチームだけど、大きく注目されることは無かったが、まるで静かな中で集中して試合をするテニスのようにチームは周りの声に惑わされずにこのレースに勝つことに集中してきた」エリオ。







【イチゴ牛乳】牛乳嫌いと思われるエリオは最初の一口は白牛乳を飲み、その後画面右側の女性にストロベリーパウダーを入れてもらってイチゴ牛乳に!







【最初のピットストップで燃料切れを免れたエリオ、使い切ってしまったディクソン】エリオはビクトリーセレブレーションでのインタビューで「最初のピットストップの時にほぼ燃料はゼロだった。あれで助かった」とコメント。ディクソンとロッシはピットクローズ時に2秒給油のエマージェンシーストップ。しかし、その時点で燃料を完全に使い果たしてしまっていて、燃料ラインに空気が入ってしまい、なかなかエンジンを再始動できず。さらには長い停車時間でエンジン温度が上昇してしまいパーコレーション(燃料沸騰)が発生。さらにに大きくタイムをロスしてラップダウンへ。







【35周のラップリードで2位フィニッシュのパロウ】40周リードしたデイリーに続く35周をリードしながらも、その中に200周目がなく2位に終わったパロウ。1対1の対決ではストレートエンド手前でエリオを抜く力があったものの、ラスト2周でエリオにリードを奪われたあとは、エリオは前方のトラフィックに引っ張られて速度を維持。ファイナルラップでエリオをとらえることはできませんでした。「インディチャンピオンと最後までバトルできたことを誇りに思います。彼がインディ500で初優勝した時は僕はまだ2歳でした。そんなレジェンドとバトルができたことがうれしいです。レース前にアメリカ国歌を聞いている時、自分は今、アメリカでガナッシの10番で6番手からスタートすると改めて思い、ぞくぞくしました。エリオには負けたものの最高のチームと最高のレースカーで最後まで優勝争いができて本当にうれしかったです」とパロウはコメント。







【23ポジションアップで3位フィニッシュのパジェノー】26番グリッドからのスタートから1回目のコーションまでに17位へアップ。そのコーションでのエマージェンシーピットのペナルティを受けて25位まで後退。レイホールのイエロー直前のピットインですぐにラップバックできたうえに、そのイエローで前がかっつりピットインして9位まで浮上。さらには燃費も問題なくなり、40周走行の人たちとオワードを抜いて一気に3位へ。フィニッシュラインでは2位のパロウに並びかかるところでした。



ピットクローズ時に以下の作業をした車は隊列の後ろに下ってのリスタートになります。
①車体ダメージの修理
②タイヤがダメージを受けた場合の全タイヤ交換
③燃料切れ寸前での最大2秒間の燃料補給



上記以外のピット作業かあった場合は内容に応じてペナルティ(通常はドライブスルー)が科せられます。







【ラストピットが失敗したビーケイ、ハータ】フロントロースタートから32周をリードしたリナス・ビーケイ。レース序盤は上位につけながらも燃費の関係で早めのピットインが続き、終盤には燃費走行を強いられそうになるもののレイホールのコーションで燃費の心配は解消。終盤はハンターレイに続く5位でラストピットしたものの、燃費走行中の集団の後ろにピットアウトしてしまい、そのまま集団に捕まってトップ争いに絡めなくなってしまい8位フィニッシュ。ハータもビーケイと同じような状況でラストピットで集団の後ろでピットアウトしてしまい16位フィニッシュ。



【ピットスピード違反】ラストピットまでオワードに続く4位につけていたハンターレイはピット入口でスピード違反しドライブスルーのペナルティで22位フィニッシュ。ペンスキー勢最上位でスタートしレース中盤まではずっと琢磨選手の背後に透けていたマクロクリンも116周目のピットストップでスピード違反。ドライブスルーペナルティを科せられて20位に終わっています。しかし、40周ランを狙っていたピエトロフィッティパルディが周回遅れに終わったために、マクロクリンは最上位ルーキーとなりました。







【フェンス登り】エリオと共にフェンスをよじ登ったチームオーナーのマイケル・シャンク(エリオの右)は「落ちるなよ!」と絶叫。







【強制ブリックへのキス】エリオの2009年の優勝時にはまだ生まれていなかった長女のミカエラ。エリオは「やっておかないと後悔ずるぞ!」とブリックへのキスを強要。ミカエラの表情は明らかに不機嫌。







【社長の威厳】1回目のピットストップでは5速ギアから動かなくなるトラブルに見舞われて28位まで後退したエド・カーペンター。最終的にはチームの若手2台を抑えてチーム最上位の5位フィニッシュ。







【Big mover】23ポジションアップのパジェノーの他にフェルッチが23位から6位フィニッシュ。カラムが31位から自己ベストの7位フィニッシュ。



【トニー・スチュアートがやる気に】AJフォイトのゲストとしてピットボックスからレース観戦していたトニー・スチュアート。エリオの4勝目を見て来年出たいとAJに嘆願。



【2年連続でポールシッターが1周目を落とす】13人のドライバーによって35回のリードチェンジ。ポールスタートのディクソンはオープニングラップでハータにかわされて1周終了はハータがリード。去年のマルコに続いて2年連続でポールシッターが1周目でポジションダウン。



【女性パワー】パレッタオートスポーツは7人のピットクルーのうち4人を女性が担当。現地ホスト局のNBCは女性プロデューサーのレネ・ハトレリドが中継の指揮を執りました。








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