第4戦テキサス 375リビュー






タイヤテザー(SWEMS)



ホイールにある干し草みたいなものはアップライト(ホイールハブ)とモノコックシャシーをつないでいるザイロン繊維製のタイヤテザーです。SWEMSと呼ばれているパーツです。ザイロン繊維を束ねてひも状にしたものを一輪につき3本使用しています。







ザイロン繊維は引っ張り強度に優れ、細かく編み込まれて束ねていた細い繊維が上の写真のように派手にほどけることでも衝撃を吸収します。今回のアクシデントでは車体からは切断されていますがコース外に飛んでいかなかったということでも機能を果たしたと言えます。詳細は下のプロフェッサーBの説明をご参照ください。















琢磨選手はエアガントラブルで後退



アンダーカットを狙って1回目のピットストップを早めにしたもののエアガン(ホイールレンチ)のとトラブルで大きくタイムロスして周回遅れへ。その後は自力でラップバックしてイエローで隊列の最後尾まで復帰。レース終盤ではステイアウトしてラップリード1ポイントを獲得したもののアンダーグリーンのピットストップで再びラップダウン。レース終盤はトップ勢はタイヤセーブが強いられる状況だったので、あと1回イエローがあれば、いつぞやのアイオワやテキサスで見られたようなフレッシュタイヤでのラストスパート勝負を狙ってリードラップ全車がピットインする可能性もありましたが、イエローは無くそのままレースは終了し1周遅れの14位に終わっています。







度重なったベアリングトラブル



車体の様々な所に使用されるベアリングはチームごとの選択やモディファイが自由になっている数少ないエリアの一つ。アンドレティオートスポーツ(AAS)のハータと、技術提携するメイヤーシャンク(MSR)のハービーと2日連続して右後輪のハブベアリングにトラブルが発生。超高速オーバルでは特に低摩擦のスペシャルパーツが使用されるので、インディ500を前にして対策が強いられることになりそうです。











オワードに秘策?



派手な3Wなどは無かったものの、果敢なパッシングシーンはそこかしこにあって、特にオワードはインサイド、アウトサイド関係なく前に出て行きました。結局はパレードには終わらずにかなりエキサイティングな面白いレースになったかと思います。オワードの自在な動きはライバル勢と比較しても群を抜いていましたが、他車よりも多めのダウンフォースが功を奏したのかもしれません。







ザク・ブラウンの公約



「今シーズンに優勝したらF1最終戦のアブダビGP後のテストに参加させる」というマクラーレンCEOのザク・ブラウンがオーワードに提示していた公約。レース前にはSNSにも出ていて話題になっていましたが、その時の証拠VTRもいいタイミングで中継に出てきました。で、オワードは見事初優勝してブラウンの期待に応えました! NBCもこのオワードの好レースを応援する形でフィーチャー。村田さんは「GAORA実況陣的にはドン引き」と言っていましたが、トークバックでネタ振りしていた私としてはGAORA実況的には十分にアリです!才能がありながらも一時的にチャンスを奪われていたオワードがF1カーでどんな走りを見せるのか非常に楽しみです。







2017年にインディライツチャンピオンとなり、2018年にはハータと一緒にハーディングスタインブレナーレーシングからインディカーデビューするはずだったパト・オワード。しかし、2018年開幕前の合同テスト直前に突然チームから放出されてしまい、その年はカーリンから7レース出た他、2019年には来日してスーパーフォーミュラに3レース参戦するなど紆余曲折がありましたが、2020年からアローマクラーレンSPに加入し、ようやく苦労が報われました。



ランド・ノリスやダニエル・リカルドはいつもインディカーレース観戦していて、今回もアメリカにいるチームメイトの活躍を応援をしていたということです。


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