ホスト局のNBCが制作する国内映像と国際映像の違い


現地ホスト局のNBCが今シーズンの17レースの放送スケジュールを発表しました。今年は第105回インディアナポリス500を含む9イベントが地上波のNBCで放送され、その他は衛星、ケーブル局のNBCSNが生中継します。

インディカーシリーズではアメリカのNBCがホスト局として、まずはアメリカ国内向けに中継映像を制作し、同時にアメリカ国外向けの別バージョンの中継映像を並行して配信しています。なので、アメリカ国内向け映像と国際映像にはスイッチングやテロップ、音声の点でかなりの違いがあります。

アメリカ国内映像では中継冒頭に現地コメンタリーの顔出しがありますが、国際映像ではその部分はビューティーショット(風景)になり、テロップもアメリカ国外向けの別バージョンとなります。なので、インディ500の予選では速度のマイル表示がキロ表示になってしまったりします。

米国内向け中継では番宣や提供クレジットなども頻繁に入り、その時や現地CM中の国際映像は映像と音声がシンクロしないことも多々あります。

これらは、アメリカ国内映像と国際映像を全く別体制で制作していることが原因です。

今季はアメリカでは地上波のNBCでの放送が大幅に増えて、開幕戦から最初の8レースのうちの6レースが地上波のNBCでの放送となります。

アメリカ国内での放映が地上波のNBCか、衛星ケーブル局のNBCSNか、でも中継フォーマットに大きな違いが生じます。放送枠がギリギリの地上波中継の時は通常はグリーンフラッグまで30分ほどあるプリレースショウが大幅にカットされます。時には番組開始5分後にグリーンフラッグというケースもあって、去年の最終戦ではすでに、スタートコマンドも終わってペースラップ途中から中継開始になっていました。

なので、昨年の最終戦では中継配信が始まる30分前からGAORA SPORTでは番組を開始してオリジナルでプリレースショウを制作し、予選を振り返ったり、琢磨選手の予選後のインタビューや天野さんのレース前スカイプリポートなどを入れています。その時はプリレースセレモニーでのアメリカ国家独唱も天野さんのスカイプリポート中となってしましました。ちなみにその時の現地からの映像は空撮映像のみでイベントの音は来ていませんでした。

我々は中継映像配信時刻は数か月前から把握しているのですが、当日のレーススタート前の中継内容は当日の番組開始4時間前くらい前に最終構成表が送られてくるので、私が仮眠から起きた後に現地から送られてきた英語の構成表をみて、日本語の番組進行表を作成します。

ごくたまに現地から進行表が来なかったり、現地の前番組のカレッジバスケなどがオーバータイムに突入したりして、国際映像は中継開始5分間がずっと風景画だったり、現地進行がアドリブになってしまってグダグダになることもしばしばです。その場合はこっちも初見で映像を見ながらのアドリブ進行になります。

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