改めて証明されたインディカーの安全性
今回のポコノでは5台のレースカーがアクシデントに巻き込まれましたが、いずれのドライバーにも大きなけがはなく、今週末のレースへの参加が許可されています。
ローゼンクビストに至っては去年のウィッケンズのクラッシュを彷彿とさせるものでしたが、キャッチフェンスを突き破ることなくコース内にとどまりました。
映像的には少々衝撃的だったためか、ポコノでのインディカーレース開催に異議を唱える声もありましたが、そもそも危険ではないオーバルトラックは存在しませんし、危険すぎるオーバルと危険なオーバルの差はありません。
今回のアクシデントの結果はインディカーの安全性を改めて証明する結果にもなりました。
突き破られにくく改良されたされたフェンスはインディカーがフェンスの支柱に当たることを防ぎました。
今シーズンから導入された「フロントウイングエンドプレートテザー」はフロントウイングのエンドプレートの飛散を見事に防いでいます。フロントウイング自体も飛んで行っていません。
今回負傷者が出なかったのは奇跡でも運でもなく、インディカーの安全対策がその効果を証明したということになります。
「絶対に取れないこと」ではないので
今回はタイヤが飛んで行ったことがいい結果を招いたと思われます。
舗装に継ぎ目があり、それがフラットではない限り、200マイル/hでは安全なコースと言えません。そこが改善されない限り、ウィッケンズがいうように、“離婚を考えるべき”です。
インディカーの安全は、確かに万全を期していると思いますが、だとしたら、ウィルソンが亡くなり、ウィッケンズが怪我をしたのはなぜか、ということになります。彼らが今年走っていて、5台の中にいたら無事だった? そんなことななく、5台は限りなくラッキーでした。琢磨が、ローゼンクビストに当たらなかったら? 横っ腹に当たったら? ローゼンクビストがもう少し高く飛んでいたら? さらに、誰かのヘルメットに、タイヤやパーツが接触したら? 考えただけでゾッとします。
安全はさらに高まるべきだけれど、クルマが、4本のタイャだけで地球と接している不安定な存在である以上、何かが起きる可能性はゼロにはならず、そこが見落とされたら、モーターレーシングではなく、単なる肝試しに成り下がります。
見たいのはスペクタクルであって、無謀な度胸試しではありません。
舗装に継ぎ目があるのはポコノだけではありません。
テキサスも、アイオワも。ゲートウェイもシームがあります。
しかし、それは”今回の”アクシデントとは関係がありません。
危険ではないオーバルコースがあったらぜひとも教えていただきたいです。
1マイルオーバルでもショートトラックでも死亡事故は起きます。
ウィルソンの事故もウィッケンスの事故も今回とは全く別の事象です。
しかも、いずれの事故後には対策が施されています。
もし・・・・・だったらという仮定は無事だった結果に対しては無意味です。
逆のケースで、起きてしまった事故に対してフェンスを突き破らなければ・・・
もしノーズが後続車に当たらなければ・・・と対策を施すことは有効です。
無駄に不安材料を並べたてたらきりがありません。
何かが起きる可能性をゼロにはできません。つまり100%安全なレースはこの世に存在しません。
不幸な事故は様々な要因や不運が重なった結果です。
今回の何が無謀だったのかよくわかりませんが、
一人の負傷者も出さなかったのはインディカーの安全性に対する研究と取り組みの成果だと言えます。
そして、今回のクラッシュは精密に分析されてさらなる安全性の向上に役立てられます。
あのスピードで3台に衝突して裏返ったのに無傷だなんて一昔前なら有りえない。安全性を確実に向上させてる技術関係者に感謝です。
でも、タイヤが飛んだのはちゃんと検証して欲しいです。
パーツ飛散防止の為にイカ釣り漁船の縄で繋げているはずでは??
#10のタイヤとノーズコーンが離脱していますが
SWEMは絶対に切れない保証はありません。
最終的にはちぎれることでレースカー本体の衝撃を緩和する効果もあります。
SWEMが切れずにアームがフェンスに引っかかったりした場合は
レースカーとドライバーには別の衝撃が加わりかねません。