【佐藤琢磨リリース】オープニングラップで多重クラッシュ

【佐藤琢磨リリース】 インディ第14戦は、ペンシルベニア州のPocono Racewayで開催された。ここは2.5マイルのトライアングル型オーバルで、レースはインディ500と同じく、200周500マイルで争われる。

 土曜日は、プラクティス、予選と続くはずだったが、現地荒天のために、ドクターヘリが到着できずに、この2つのセッションはキャンセルされた。結局午後1時53分から2時間のプラクティスが設定されて、決勝グリッドは今シーズンのドライバーズ・ランキング順ということになり、佐藤は4列目7番手からのスタートとなった。

 「通常ならプラクティスでのデータを分析して、クルマをセットアップして行くのですが、今日はそれができませんでした。クルマのバランスが悪く、プラクティス終了間際でやっと方向性が見えてきました。あとは今夜データを解析して、明日のレースのためにより良いセットを見つけたいです」と、佐藤はタフなプラクティスを振り返った。

 決勝は現地時間午後2時45分にグリーンフラッグ。佐藤はイン側からアウトに出て、ロッシのアウトから抜きにかかるときに、佐藤の左リアタイヤとロッシの右フロントタイヤが接触して、佐藤のマシンが姿勢を乱してロッシと接触。そのまま佐藤のマシンはさらにイン側に流れ、ハンターレイと接触。その後佐藤のマシンは再びアウト側に流されて、後ろから来たローゼンクヴィストと接触。そこへハンターレイとロッシのマシンが流れて来て、佐藤のマシンはロッシのマシンに接触した後、ハンターレイのマシンに接触してひっくり返った状態で停止した。

 佐藤はマーシャルに救出されて自分の足で歩いてマーシャルカーに乗り込むことができ、佐藤との接触でフェンスに激突したローゼンクヴィストも現地の病院に運ばれたが、クラッシュに巻き込まれたドライバー全員の無事が確認された。5台が絡む多重クラッシュのために、3周を経過した時点でレッドフラッグが出されレースは約45分間中断した。

 レースはその後3回のフルコース・コーションを経て、128周経過後に雷雲が近づき、ドクターヘリが飛べなくなり、また観客にも避難命令がでて赤旗中断となり、そのままレースは終了した。優勝はウィル・パワー、2位にスコット・ディクソン、3位にシモン・パジェノーだった。

【佐藤琢磨選手のコメント】 まず心配なのはフェリックス・ローゼンクヴィストのことです。彼が無事であることを祈っています。チャンピオンシップを戦うドライバーたちには申し訳ないと思っています。ライアンと僕はターン1の出口でレースをしていて、アレクサンダーはスタートが少し遅かったようです。僕たちは(ロッシの)右と左に分かれて進み、すべてクリアできると思っていました。路面の継ぎ目のおかげで進路が乱され、どのドライバーも接近していました。そうしたなかで、僕たちは不運にも接触してしまいました。

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