忘れられたカナダ人、クラマンデメロ



ザカリー・クラマンデメロはまぎれもないカナダ人です。

インディカーでのカナダ人ドライバーといえばシュミットピーターソンのヒンチクリフとウィッケンズが活躍を見せていますが、クラマンデメロの存在感はカナダ一の大手新聞がインディ500を報じた時に「唯一のカナダ人であるウィッケンズは・・・」と書いたほどでした。

「トロント・スター紙は自分がカナダ人だったことを知らなかったらしい。でも自分も来年への参戦継続のためにまだまだ頑張らないといけないし、これから覚えてもらえば構わない」とクラマンデメロ。

トロント出身の20歳であるクラマンデメロはツイッターで「トロント・スター紙はもう一人のカナダ人のことも応援してほしい」と仕返ししています。

そもそもクラマンデメロはインディ500参戦の予定は無く、シーズン17レース中10戦に参戦する予定でしたが、ピエトロ・フィッティパルディが世界耐久レース選手権で負傷したために、急きょインディ500参戦が決定していました。

一方で、同じカナダ人のウィッケンズは開幕戦でポールポジションを獲得した他、インディ500までに2回表彰台にのるなど、対照的に大活躍を見せ、多いに注目を浴びていました。

そのウィッケンズもこの10年間はヨーロッパのレースで目覚ましい活躍を見せてきましたが、地元カナダでの知名度はさほどではありませんでした。

2017シーズンはインディライツでポイント5位だったクラマンデメロは、シーズン序盤こそ「結果はともかくレースごとにベストを尽くす」程度だった意識が、今となっては「さらに上を狙えるような成長を感じ取っている」と言います。

クラマンデメロのこれまで6レースのベストリザルトはインディカーGPでの12位。しかし、それまでのレース内容が評価されて第102回インディ500参戦につながりました。

初めてのオーバルレースとなったインディ500では19位フィニッシュしたほか、テキサスでは予選は22台中21位ながらもレース終盤に向けて徐々に順位を上げて、205周目には6位に上がろうとしたところでパワーと接触してクラッシュしDNFに終わっています。

残念な結果に終わったクラマンデメロでしたが、本人は「TOP5フィニッシュ、さらにはTOP3フィニッシュも見えた」と確かな手ごたえと自信を掴みました。そして、今週末自身初のショートオーバルでのレースを迎えようとしています。

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