【小倉さん特別解説】ペンスキーのリアウイングの秘密



このリアウイングで主にダウンフォースを発生しているのは、主翼にあたる水平な翼の部分だと思われます。

その前縁部分でカッティングシートのエッジによる段差が気流に対向する向きになってしまうと、その段差で気流を乱してウイングの効果を落としかねません。カッティングシートの前端部分を翼の前縁に巻き込むようにして、段差を気流に対向させない向きにすると、ウイングの効果を損ねにくくなります。

B-17など第二次大戦中の航空機の尾翼も、最後に前縁部分の外板を上下の外板の上から被せるように装着していました。(段差は後ろ側で、気流に対抗させないようになっていました。)

一方下反角がついた翼端部分は、翼端坂的な機能なはずで、主翼にあたる水平部分よりもカッティングシートの作業効率の方を優先した実利的なやりかたのように思われます。

このリアウイングは、主に水平な部分が主翼としてダウンフォースを生み、翼端の下反角がついた部分は、主に翼端板としての機能をしているようです。

主翼部分の気流はとても大事で、カッティングシートの端にと翼の表面とでできる段差を気流に対抗する向きにしたくないはずです。すると、 カッティングシートの前端を翼の前縁を回り込ませて、翼の下面で、気流に対抗させない向きで段差をつけたほうが、段差による気流への悪影響を押さえることができるはずです。

一方、翼端部分は、翼端板的な機能で、主翼部分ほど気流への配慮をしなくてもよく、それでカッティングシートの施工のしやすさを優先したのではないかと思います。

第二次大戦中のアメリカの航空機の翼にもみられた、実利的なやりかたのように思います。

※小倉さん、詳細解説ありがとうございました!

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