セーフティーチームのイェイツ氏がリタイヤ



インディカーのトラックセーフティーオペレーションマネージャーでホルマトロセーフティーチームのリーダーを務めるマイク・イェイツ氏が来シーズンはシリーズに帯同しないことになりました。

66歳になるイェイツ氏はインディアナ州のウォーレンという町で15年間消防士を務めた後、IMSの専任スタッフとなりました。ダニー・サリバンがスピン&ウィンでインディ500を制した1985年。イェイツ氏はマリオの前でサリバンがスピンするのを当時の持ち場だったサウスシュート(ターン1とターン2の間)の待機所で目撃していました。それから、すでに36年が経過しましたが、その間ずっと、イェイツ氏の姿はレーストラックにありました。


その長い間、イェイツ氏は消防隊員、救命士として数々の現場に居合わせ多くの命を救い、時にはかなわぬつらい時を経験しながらも名もなきヒーローとして現場で活道を続けてきましたが、その時が来たと覚悟を決めたようです。

イェイツ氏は来シーズンからはシリーズには帯同しませんが、インディアナポリスモータースピードウェイ
で開催される5月のイベントにはセーフテイーチームに参加することになっています。

「自分はまだまだやっていゆく自信があるが、若いスタッフたちは優秀で私がいなくてもりっぱにやって行ける。何年か前に同僚のボブ・ドーランと話をしたが自分たちがもし作業中に怪我をしたりすれば若手に迷惑がかかる。若手にすべてを任せる時が来たと決断しました。」とイェイツ氏は語っています。

インディカーは専任のセーフティーチームをシーズン中帯同させた初めてのレースカテゴリーで、ドライバーがクラッシュしてもすぐさま駆けつけるオレンジ色の制服を着たセーフティチームスタッフの姿を見るとクラッシュしたドライバーもすぐに状況を把握して落ち着き安心感をもたらしたといいます。

昨年の5月にインディ500の練習中に大クラッシュしたJヒンチクリフは「彼らのお世話になったことがないドライバーは一人もいない。マイク・イェイツとセーフティーチームがいつもいるからこそ我々はレースに集中することができる。」と語っています。

しかしながら、イェイツ氏はDウェルドン、Jウィルソン、Sブレイトンの現場にも居合わせ、ウェルドンを失った時には辞職する覚悟をしたといいます。しかし、そのオフシーズンテストで多くのドライバーから慰留するように言葉を受けたといいます。

凄惨な事故現場のシーンは決して彼らの脳裏から離れることがないという中で、少しでも安全性を高めようと彼らの努力は続けられてきました。去年のヒンチの大事故でヒンチが命を取り留めたのもイェイツ氏をはじめとするセーフティーチームの妥協のない訓練と努力の結果であることは間違いありません。

イェイツ氏の前任のデイブ・ブラウン氏がリーダーを務めていた時から何回かGAORAではセーフティーチームの取材やインタビューをしてきましたが、彼らの仕事ぶりや努力には本当に頭が下がります。

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