タイヤは消耗品であるという考え方
ロードストリートにおいてはローダウンフォースの方が面白くなるというのはロードアメリカ戦や先日の富士スピードウェイで行われたスーパーフォーミュラを見て証明されたような気がします。
コーナーリング速度が落ちることで最高速度との速度差が生じブレーキング勝負が生まれやすくなるうえに、コーナーリングでは車体がスライドしてドライバーの腕がより試されます。
そして、タイヤはライフが短いほどレースはエキサイティングになると言われてます。
たとえばNASCARのカップシリーズでは2000年代前半からあえてタイヤの耐久性を落とすようにグッドイヤーにオーダーしてバトルをより増やすという手段をとっています。
インディカーではレッドタイヤ(ソフトタイヤ)を導入してハイグリップを提供しながらもタイヤの耐久性を落とすという手段をとりました。その結果、作戦に厚みが出るだけではなくコース上でもバトルが増えています。
F1でもピレリに対して”崖”が来るようなタイヤをオーダーしたと聞いています。
このタイヤのライフの短さを”キャラクター”ととるのか、”信頼性の低さ”ととらえるのかという問題がありますが、ワンメイク(一社提供)ゆえにNASCARでもインディでも後者ととらえる人はいません。
エンジンやシャシーは”耐久品”ですが、タイヤは燃料と同じで「劣化=消耗」して当たり前という考え方です。
ただし日本と違うのは、「タイヤがタレた・・・・・」などとタイヤの消耗に関してネガティブな表現を使うことがアメリカではほとんどないということです。
「タイヤがパンクした」ともほとんど言わずに「cut rubber(ラバーが外的要因で切られた)」もしくは「broken(外的要因で壊された」と表現するくらいです。
ダウンフォース多めでパレードになりがちなレースではどうしてもラインが一本になってしまい、タイヤカスによって走行ラインが狭められてしまうことがありますが、もともとパッシングが多いインディカーではタイヤカスがたまり始めるまえからサイドバイサイドになるので、グループが1本だけになってしまってパッシングができなくなってしまうようなことはまずありません。
全チームタイヤはGYから購入しているのにもかかわらずです。