ソノマをふたたび揺るがす
レース序盤の状況を見るかぎり、琢磨選手の4位フィニッシュを予想した人は私を含めていなかったのではないでしょうか?結果的に予選20位から16ポジションアップして、今季ベストの4位でフィニッシュ。
決勝レース前のファイナルプラクティスではエンジントラブル(燃料系)が発生して、わずか5周しか走れていませんでした。
その後は大急ぎでエンジンを交換して、シェイクダウン走行なしでの決勝レーススタートでしたが、早めのピットインでハードタイヤを消化してレース折り返しまでに6回のピットストップを行いました。特に2回目のフルコースイエローではチームディレクターでストラテジスト(作戦参謀)のラリー・フォイトの判断による3周連続でトップオフ(燃料の継ぎ足し)を行うという作戦が功を奏して、すぐに出された3回目のフルコースイエローではコース上にステイアウトして一気に5位まで浮上。それだけでなく、3周連続のトップオフは結果的にこの時ステイアウトした6台の中で琢磨選手だけを残り1ストップだけでフィニッシュさせました。ほかの選手は燃料が足りずに2ストップを余儀なくされて下位に沈んでいます。
その後は、最後のピットアウトでピットインしてきたMアンドレッティと交錯するなどの不運がありましたが、残り4周のところでJPモントーヤの前に出て結果的に4位でのフィニッシュとなりました。不運がなければ表彰台も現実のものでした。
【2周目】フルコースイエロー中
オープニングラップ直後のマルチカークラッシュで破片を踏んだ可能性があるために、ブラックからブラックへタイヤ交換。そして破損したノーズを交換。
【12周目】アンダーグリーン
新品レッドタイヤ(ソフト)に交換。
【31周目】フルコースイエロー
中古レッドタイヤに交換。
【32周目】フルコースイエロー
トップオフ、燃料を満タンにし直す。右リアサスペンションをチェック
【33周目】フルコースイエロー
トップオフ
【36周目】リスタート&フルコースイエロー
【37周目】フルコースイエロー
ステイアウトして5位へ。
【62周目】アンダーグリーン
ラストストップ。Mアンドレッティと交錯。
【82周目】アンダーグリーン
JPモントーヤをパスして5位へ。
【85周目】チェッカーフラッグ
3位のコンウェイが燃料切れでスローダウン
4位フィニッシュ。
その他では、12ポジションアップで今季3度目の表彰台となったSパジェノーは最終戦にチャンピオン争いの権利を残しました。そのパジェノーもチェッカーフラッグ後のターン3で燃料切れで止まってしまったので本当にぎりぎりでしたね。
イエローが少ないレースで前半は落ち着いた雰囲気まで漂って…
心配でした。
面白い作戦が好成績をもたらしましたね。
「どのチームの作戦が正しいのか」とインタビューで答えていたWパワーに
この作戦の感想を聞いてみたいです。
しかも、選択した作戦を必ずしも遂行できる保障もありません。
実際にMコンウェイはSパジェノーよりも1周遅いラストピットだったにもかかわらず
最後まで燃料を持たせることができませんでした。
チームの判断力、決断力、ドライバーの技術、運のすべてがそろえるのは難しいですね。