加速力に影響を及ぼすのは「馬力」ではなく「トルク」です。

みなさんいいですか?
ここ試験に絶対に出ますからね!!

開幕戦ではホンダ勢とシボレー勢で
加速などに特性の違いが出ましたが
この加速力の差を生みだすのは
エンジン出力(馬力)ではなくトルクです。

簡単に言うとトルクはドライブシャフトにかかる回転力。
馬力はエンジンの一定時間の仕事量です。

自転車にたとえると
スタート時ペダルにかかる力の大きさが「トルク」 停止状態から100m先のフィニッシュまで何秒でいけるかが「馬力」

いかにタイヤが路面を力強く蹴りだせるがトルク
以下にエンジンが高回転で回るかが馬力の意味になります。

なので、最高速度は「馬力」 加速能力は「トルク」の仕事になります。

もうひとつ重要なことはエンジンの回転数によって
トルクがものすごく変化するということです。
この変化の特性を「トルクカーブ」などと言います。



上の表では青いグラフは「トルク」
みどりのグラフは「馬力」を表しています。
この青い線のカタチを「トルクカーブ」といいます。

馬力はエンジンの回転数と共に上がっていくので
”右肩上がり”になるのが普通ですが、
トルクカーブはそうはならず”やま形”になります。

上の図で見ると、エンジン回転数が2000rpmの時は
ターボエンジンは80N・mでますが、
自然吸気エンジンでは約50N・mで、ターボエンジンのほうが
加速力が高いことがわかります。

さて、同じターボエンジンでも
シングルターボのホンダとツインターボのシボレーでは
トルクカーブに違いが出て
ツインターボのほうが低回転から
トルクカーブが立ち上がるようになります。
ツインターボはトルクカーブが表の中の左寄り(低速で高くなる)になり
シングルターボは右寄り(高速で高くなる)になります。
これがロードストリートコースでの加速力に違いを生み出します。

最高出力がほぼイコールでも加速力に差が出るのはこのためです。

ホンダはインディ500での優勝を最優先にエンジン設計をしているので
シングルターボを採用していますが
昨年のサンパウロ戦でターボの仕様を若干変更して
ロードストリートでの特性を改善しています。

その解説については
こちらをご覧、下さい。
http://blog.gaora.co.jp/indy/2012/04/2850


2件のコメント

    1. 同排気量同馬力のV6でのツインターボとシングルターボの違いをテーマにしています。

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